台頭目立つ“佐々木朗希世代”の3年目 ドラ5がタイトル候補、奥川恭伸は苦しい1年

ヤクルト・長岡秀樹(左)と中日・岡林勇希【写真:荒川祐史】
ヤクルト・長岡秀樹(左)と中日・岡林勇希【写真:荒川祐史】

共にドラ5の岡林勇希、長岡秀樹が好守でレギュラーに台頭

 セ・リーグでは、ゴールデングラブも狙える好守の2人が成長株筆頭だ。中日の岡林勇希外野手は129試合に出場し打率.283。さらに守備全般の貢献を示す「UZR」での突出ぶりが際立つ。セイバーメトリクスの指標などを用いて分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)が算出した数値でみると+24.0は12球団の野手で断トツ。2位の外崎修汰(西武)の+15.8に大きな差をつけている。守備範囲と強肩のなせる業だ、

 またヤクルトの長岡秀樹内野手もこの「UZR」が+9.4。遊撃手に限れば源田壮亮内野手(西武)の+14.0に次ぐ12球団2位で、セ・リーグでは中野拓夢内野手(阪神)の+3.4の3倍近い数値でトップを走る。打撃も規定打席に達し打率.246。優勝間近のチームで確固たる存在となった。そして長岡も岡林もドラフト5位指名で、スカウトの慧眼が光る。

 12試合に登板して6勝3敗、防御率2.93の成績を残している西純矢投手(阪神)は、打撃でも5月18日のヤクルト戦(神宮)でプロ初本塁打を放った。入団直後に右ひじの手術を受け、一時は育成契約となった堀田賢慎投手(巨人)も8試合に登板し2勝3敗の星を残している。

 一方で、昨季チームトップタイの9勝を挙げ、日本一にも貢献した奥川恭伸投手(ヤクルト)は今季、1軍登板が1試合にとどまっている。昨季リリーフで39試合に登板した及川雅貴投手(阪神)も、今季の1軍登板は1試合だけだ。3球団競合の末に中日入りし、今季はプロ初を含む5本塁打している石川昂弥内野手も、右膝の故障で戦線離脱。37試合で打率.225という成績だ。

 この世代の競争が激化するのは、まだまだこの先。現役を退く日にはそれぞれ、どのような数字を残しているだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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