無死満塁で3人斬り…逆転呼んだ山田の18球　侍U18・馬淵監督が感じた“主将の自覚”

今大会はここまで2試合で2回2/3を8失点と苦戦していた

　高校日本代表「侍ジャパン」は17日（日本時間18日）、「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」（米フロリダ・サラソタ）のスーパーラウンド第3戦で米国と対戦。悪天候のため3回途中で継続試合になった。主将の山田陽翔投手（近江）が2回無死満塁から登板し無失点に。逆転を呼んだ好リリーフに馬淵史郎監督も「キャプテンの自覚というかね。やってやろうというピッチングでしたよ」と賛辞を贈った。

　これまでの投球とは明らかに違った。1-0の2回、先発の森本哲星投手（市船橋）がつかまった。安打と四球で無死一、二塁とし、6番・エマーソンに左翼線に同点二塁打を浴びた。7番・グラオバクにも右前打で逆転を許し、四球を与えたところで降板した。

　失いかけた流れを手繰り寄せた。2番手で登板した山田は最初の打者を内角高め直球で右飛に打ち取ると、後続を二ゴロ、中飛に仕留めてピンチを断ち切った。主将の“魂の18球”で再び勢いに乗ったチームは3回、無死満塁で伊藤櫂人内野手（大阪桐蔭）が左翼線二塁打を放ち、逆転に成功した。

　試合はその後、藤森康淳内野手（天理）が失策で出塁し、無死満塁となったところで雷雨で中断に。約2時間が経過しても回復せず継続試合となり、18日の午前9時半（同午後10時半）に再開されることになった。

　馬淵監督が抑え候補に“指名”していた山田は今大会、初登板となった12日（同13日）のパナマ戦で1回2失点。15日（同16日）のスーパーラウンド初戦・韓国戦では先発したが、2回途中6失点で降板した。しかし、この日の好投に馬淵監督も「よう抑えてくれた。やっぱりキャプテンの自覚というかね。やってやろうというピッチングでしたよ。前とは違っていましたね」と褒めたたえた。

　18日は継続試合と3位決定戦のダブルヘッダーが予定されている。3位決定戦の相手は、米国に勝てば米国と再試合。敗れれば韓国が相手になる。馬淵監督は山田の続投について「本人と話します」と話すにとどめ、「とにかく最後のゲームだから全力を出し切っていきたいと思う」と決意を新たにしていた。

（川村虎大 / Kodai Kawamura）