侍U18はなぜ3決で韓国に勝てた? 0-8大敗から再戦、最終日に見せた意地と“らしさ”

ハードスケジュールが日本に味方? 松尾「いい形で作っていけた」

「日本の、基礎がしっかりとした野球は世界でも通用すると思いました」。主将の山田陽翔投手(近江)が言うように、馬淵史郎監督が目指していた「守備からリズムを作る」野球が勝利に直結した。前回の韓国戦では守備のミスが失点につながったが、この日は無失策。中でも、馬淵監督が「ショートは固定する」と信頼を寄せていた光弘が21のアウトのうち7つを奪った。固い守備で、失点を許さなかった。

 ハードスケジュールも逆に味方したようにも思えた。この日の3位決定戦前、日本は前日17日(同18日)に降雨で中断となっていた米国戦の継続試合が行われていた。日本は既に3位決定戦へ回ることが決まっていたため「調整とは言ってはいけないが、いい形で作っていけた」と松尾。剛腕揃いの米国投手陣と対戦したことは、韓国戦に向けて“良い準備”になったようだ。

 一方、韓国は、米国が逆転サヨナラ勝ちを決めた時点で決勝進出の可能性が途絶え、3位決定戦に回ることが決まった。試合時間も対戦相手も直前まで決まらない中での準備は難しいものがあっただろう。

 目標の世界一にはたどり着けなかった。しかし、最後の最後で“らしい”野球でメダルを死守した馬淵ジャパン。「自分たちの野球を信じて、最終的にはいいチームを作れたのかな」と松尾。意地と信念が5年ぶりの銅メダルを日本にもたらした。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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