「敵地なのにホームチームより早く…」 常に球場一番乗り、元同僚が明かす“内海伝説”

「内海さんはエースになっても、球場に一番乗り」

 林氏はその後、日本ハムを経て、DeNAに移籍。「内海さんはエースと呼ばれる立場になっても、球場には一番乗り。それどころか横浜スタジアムでの試合では、僕らホームチームの全体練習が始まる前にグラウンドに出て体を動かしていました」と振り返る。

 NPBの試合では通常、開始4時間前からホームチーム、2時間前からビジターチームが全体練習を行う。内海は横浜スタジアムでの午後6時開始の試合でも、ホームのDeNAの選手より早く、午後1時にはグラウンドに出ていたというのだから尋常ではない。林氏は「巨人ではいつしか、大半の選手が“アーリーワーク”と称して非常に早い時間から球場に来て練習することが普通になりましたが、あれは若い選手が内海さんの背中を見て育った結果だと思います」と解説する。

 そんな内海に会見で「プロ生活最大のライバルは?」と聞くと、「うーん……自分自身ですね。(早い時間から練習するのも)自分の気持ちに負けないようにと、戦っていたのだと思います」という答えが返ってきた。

 一方、内海は巨人で投手陣のリーダーになると、プライベートを含めて野手陣との交流にも乗り出した。「投手と野手というものは、練習する場所もやっている内容も全く違い、なかなか交わらない部分がありました。チームが勝つためには、そういうものを取り払った方がいいと思い、しっかりコミュニケーションを取るようにしました」とうなずく。

 来季以降については、「取り合えずゆっくり家族と過ごして、今後のことを考えていきたい」と話すにとどめた内海。誰よりも長く居続けたグラウンドを去った。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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