「悔しい思い出の方が多い」札幌ドームで初ものづくし 清宮が見せた成長の満塁弾

日本ハム・清宮幸太郎【写真:町田利衣】
日本ハム・清宮幸太郎【写真:町田利衣】

2回にプロ5年目初の満塁弾、1試合4安打と6打点も自身最多となった

■日本ハム 14ー0 ロッテ(27日・札幌ドーム)

 日本ハムの清宮幸太郎内野手が27日、札幌ドームで行われたロッテ戦でプロ5年目初の満塁弾を含む5打数4安打6打点で14-0の大勝に貢献した。1試合4安打も6打点もプロ入り最多。ミスをしては落ち込んでいた、悔しい思い出ばかりの本拠地で、最終戦を前に成長の跡を刻んだ。

「ちょっと意識していたので『まだ打ったことないな』って。めちゃくちゃ意識していたわけじゃないですけど、打ったとき『初めてだ』って思いました。やっぱ(本塁に)還ってきたときにたくさん出迎えがいたので、それがうれしかったです」

 待望のグランドスラムが飛び出したのは2-0の2回だった。初球の直球を捉えると、打球は清宮らしい美しい弧を描いて右翼席へと消える7試合ぶりの18号となった。直前には細川がスクイズを失敗し、最終的に空振り三振。嫌なムードをすぐに吹き飛ばして流れを引き戻し「細川を何とかカバーしたいと思った」と男気をたぎらせた。

 今季は1試合2安打が最高だったが、第3打席に中前適時打を放って猛打賞。「もう打てるだけ打とうと思って」と、さらに7回の第4打席にも左前適時打を放って初の4安打固め打ちを見せ6打点の荒稼ぎだった。

 来季から新球場となるため、札幌ドームは28日で最終戦となる。2017年ドラフト1位で入団し、2018年5月2日にプロ初出場した本拠地で数々のアーチを架けてきたが、記憶に残っているのは「悔しい思い出の方が多いんです。圧倒的に」という。

 特に覚えているのは守備でのミスだ。一塁で送球を捕り損ねて9回に同点を許し、勝ちを消したこと……。失策続きに落ち込み、人目のつかないところにいると、中田(現巨人)がやってきて励ましてくれた。「『そういう経験あるから』みたいな感じで中田さんが声を掛けてくれたのがめちゃくちゃ記憶に残っていて思い出に残っている。それは凄い印象的な日でした」と懐かしんだ。

 プロ生活は決して順調に歩んできたわけではなかったが、今季は初めて規定打席に到達して本塁打も打点もキャリアハイを更新。飛躍の年となっている。思い出の詰まった札幌ドームも残り1試合。「色んなことを経験させてくれた場所ですし、一生忘れることのできない場所。感謝の気持ちを持って噛みしめてやりたいと思います」と誓いを立てた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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