執念の決勝打に宿る“熱男魂” 松田宣浩から想いを託された今宮健太が明かした胸中

「人として、プロ野球選手としてめちゃくちゃリスペクトしています」

 その日からだった。今宮はタイムリーや本塁打を打った際に球団を通じて出すコメントに「熱男魂」と入れるようになった。この日の試合後も今宮は「松田さんのいいところっていうのはやっぱり僕らが受け継いで、これからどんどんホークスの伝統としてやっていかなければいけないことだと思いますし、松田さんに残してもらったものは、数えきれないぐらいあるので」と胸中を明かした。

 さらに、今宮はこうも語る。「143試合っていう試合数がある中で、本当にいつも元気で、打てなくても自分のことだけに集中するんじゃなく、周りに気を配って声を出すとか、そういった姿はなかなかできそうでできない。こういう人に育っていきたいなって感じるところもあります。僕たちがあれだけ声を出して引っ張っていけるかっていったら正直、無理なところはあるんですけど、人として、プロ野球選手としてめちゃくちゃリスペクトしています」。この日の2本のタイムリーも、そんな偉大な先輩への思いが込められていた。

 この日の勝利で優勝へのマジックは「2」となり、30日の結果次第では2年ぶりのリーグ優勝が決まる。松田と共に、長らくチームを支えた明石健志内野手も今季での引退を決めた。今宮は「2人を優勝していい形で送り出すことができればベスト。何とか2人のためにも、ファンの皆さんのためにも優勝できるように頑張ります。何とか“熱男魂”で優勝したいです」と語る。悲願のリーグ優勝は目前。松田の思いに応えるためにも、このまま一気にゴールテープを切りに行く。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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