福留、内海…レジェンドを間近で見て実感 元左腕が若手に感じる「もったいない」部分

阪神時代の福留孝介(左)と今季限りで現役を引退をする西武の内海哲也【写真:荒川祐史】
阪神時代の福留孝介(左)と今季限りで現役を引退をする西武の内海哲也【写真:荒川祐史】

NPB237登板の榎田大樹さんは西武スタッフとして、ファームの投手を支える

 2022年もレギュラーシーズンが終了し、各球団で戦力外通告がなされている。阪神、西武でプレーし、2021年限りで現役引退した榎田大樹さんは、2022年から西武の球団本部ファーム・育成グループバイオメカニクス(1軍グループ兼務)兼企画室アライアンス戦略のスタッフとして、ファームの投手を支える新たな1年を送った。

 榎田さんは社会人の東京ガスから2010年ドラフト1位で阪神に入団。ルーキーイヤーに62試合に登板、33ホールドを挙げる活躍をみせた。2018年にトレードで西武に移籍。自己最多の11勝を挙げリーグ優勝に貢献したが、2021年は1軍のマウンドに上がることはなく、オフに戦力外通告を受けた。現役続行を目指してトライアウトを受けたものの、声がかかることはなかった。

「自分ではまだできると思っていましたが、プレーする場所がなければどうしようもない。そこはしっかりと線を引き、西武のスタッフの話をいただいたので、それを受けようと思いました。大学(福岡大)で教員免許を取得したのですが、もともと野球の指導者に興味がありました。プロ野球の球団で勉強できる機会はなかなかない。自分にとっていいんじゃないかなと思いました」

 現在は2軍の練習やブルペンの映像、ボールリリース時のハイスピードカメラの映像などを見て、機械を使いながらデータを解析。その内容をコーチにフィードバックしている。現場の仕事に忙しく、新たな知識を増やせないことが現在の悩みだと明かす。

「選手の時は自分が良くなりたいという気持ちから、本やネットでいろいろ調べたりすることが多かったのですが、今は余裕がなくて悩ましいです。なので、自分が選手として向上するために学んだことを伝えています。『ここをこう使えば、ここがつながるんじゃない?』と話をしても、感覚を大事にしている選手には伝わらない。擬音やジェスチャーで伝えると分かってもらえることもあるので、そういうところは難しいですね」

長く現役を続ける選手は「自分のことをよく分かっている」

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