最下位・中日に“希望の光” 村上宗隆を上回った若手&主砲…セイバー目線の9月MVP

中日・岡林勇希【写真:荒川祐史】
中日・岡林勇希【写真:荒川祐史】

中日の勝率.463は最下位チームとしては史上3番目の“高さ”

 今季のセ・リーグは、シーズン通じて安定の戦いぶりをみせたヤクルトの連覇で幕を閉じた。そんなセ・リーグの、9月以降の試合で活躍した選手をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録が用いられる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選べば、公式に発表される月間MVPとは異なる選手が選ばれることもある。まずは、9月のセ・リーグ6球団の月間成績を振り返ってみよう。

〇巨人:12勝8敗1分
打率 .245 OPS .723 本塁打29
先発防御率 2.50 QS率 47.6% 救援防御率 2.49

〇中日:14勝11敗1分
打率 .251 OPS .644 本塁打6
先発防御率 3.19 QS率 42.3% 救援防御率 2.23

〇広島:10勝10敗
打率 .273 OPS .716 本塁打13
先発防御率 4.56 QS率 25.0% 救援防御率 2.35

〇ヤクルト:11勝12敗2分
打率 .234 OPS .668 本塁打25
先発防御率 4.55 QS率 32.0% 救援防御率 2.78

〇阪神:8勝10敗2分
打率 .250 OPS .646 本塁打10
先発防御率 3.49 QS率 40.0% 救援防御率 3.22

〇DeNA:13勝17敗
打率 .243 OPS .666 本塁打22
先発防御率 3.18 QS率 50.0% 救援防御率 4.41

 クライマックスシリーズ進出をかけてラストスパートをかけた巨人と中日が月間勝ち越しとなったが、残念ながら両チームともBクラスに沈んだ。ただ、中日はシーズン最下位ながら、優勝したヤクルトと、広島には勝ち越している。さらに言えば、勝率.463は最下位の勝率としては史上3番目の高さである。

 ヤクルトを追ったDeNAは9月以降で30試合を消化しなければならないハードスケジュールがたたったのか、救援投手陣の防御率が4点台と悪化。4つの負け越しとなった。しかし、チームは3年ぶりの2位フィニッシュとなった。

8月の絶不調からシーズン最終盤に復活したビシエド

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