オリックスの大逆転V実現させた“2人の立役者” セイバー目線で選ぶ月間MVPは?

優勝したオリックスのエースがシーズン最終盤にもすばらしい働き

 投手の評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。ここでのRSAAは「tRA」ベースで算出。tRAとは、被本塁打、与四死球、奪三振に加え、投手が打たれたゴロ、ライナー、内野フライ、外野フライの本数も集計しており、チームの守備能力と切り離した投手個人の失点率を推定する指標となっている。今月のRSAAトップ5は以下の通り。

山本由伸(オリックス)
4勝0敗 RSAA 8.23 防御率 1.38 WHIP 0.77 QS 4 (80%) K/9=9.69

松本航(西武)
1勝2敗 RSAA 5.82 防御率 2.25 WHIP 1.00 QS 4 (80%) K/9=9.84

千賀滉大(ソフトバンク)
2勝2敗 RSAA 4.41 防御率 1.93 WHIP 1.26 QS 5 (100%) K/9=8.82

山崎颯一郎(オリックス)
登板10 1S6H  RSAA 4.36 防御率 0.60 WHIP 0.80 K/9=9.00

加藤貴之(日本ハム)
3勝1敗 RSAA 3.81 防御率 1.36 WHIP 0.88 QS 4 (100%) K/9=4.91

 月間4勝0敗の山本由伸と、ロッテの美馬学が公式の月間MVP選考では有力候補として名が挙がるだろう。美馬の成績も4勝0敗 防御率 0.83 WHIP 0.86 QS 4 (80%) K/9=6.61と申し分ないのだが、RSAAの視点で見ると、美馬が3.29に対し、山本は8.23と大きく水をあけている。投球内容で比較すると、

山本 奪空振り率14.7% K/BB 5.25 ゴロ率58.5%
美馬 奪空振り率10.7% K/BB 4.80 ゴロ率48.9%

と、山本に軍配が上がる。ソフトバンクとの直接対決でも、9月10日は7回2失点(自責点1)でハイクオリティスタート、17日は完封と貫禄のピッチングを披露した。シーズンを通じても安定の実力を発揮し、優勝に大きく貢献した山本由伸を9月、10月のセイバー目線で選ぶ月間MVPに推薦する。

打撃部門もオリックスの主砲が“断トツ”の活躍

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