「全ての投手に幸せになってほしいんや」 ロッテ新監督の吉井理人氏は“こんな人”

ロッテの新監督に就任した吉井理人氏【写真:荒川祐史】
ロッテの新監督に就任した吉井理人氏【写真:荒川祐史】

選手のコンディショニングを最優先した指導法

 7日の夕方、ロッテから驚きの発表があった。来季の1軍監督に、吉井理人氏が就任するというのだ。昨年までは1軍投手コーチを務め、今季は新設の「ピッチング・コーディネーター」に就任。若手投手の育成法を学ぶため、シーズン中も日米を往復していた。現役時代には近鉄でリリーフ、ヤクルトで先発として活躍し、初めてFA権を行使してメジャーリーグへ移籍。メッツなどで計32勝を挙げた。日本に戻ってからも42歳まで現役を続け、筑波大の修士号も持つ。いくつもの顔を持つ新指揮官は、いったいどんな人物なのか。

 吉井氏は2007年、ロッテで現役引退すると、翌年から現役時代には縁のなかった日本ハムで投手コーチとなった。「選手のことを一番知っているのは選手自身。だから自分のことをワシに教えてくれ」というのが口癖。これはメッツ時代のコーチだったボブ・アポダカ氏に学んだやり方だと教えてくれた。試合前練習では外野に座り込んで投手を観察、話しかけやすい環境を作っていた。

「全ての投手に幸せになってほしいんや」と言い、しっかり結果を出せる環境づくりに心を砕いた。心身のコンディショニングを重視、選手が自分で出番を察知し準備できるよう、役割分担をしっかり伝えることを好んだ。時にその“枠”を超えて無理使いしようとする監督とは意見が対立した。

 2012年、新任の栗山英樹監督と意見が衝突することが増えた。若い投手陣の成長を期待して、長いイニングを投げさせたいとする投手コーチと、相手を抑えるために継投のタイミングをどんどん早めた監督の“野球観”がぶつかったのだ。

「ワシは『抑えてくれる』と思って投手をマウンドに送り出している。やっぱり野手出身の監督に、それは分からんのかなあ……」

 シーズン中、試合中のベンチで監督に聞いたのだという。「ひょっとして監督は、投手は打たれるものだと思っていませんか?」と。答えはなかった。オフになると吉井氏は、球団を去った。「ワシと監督の意見が違うことが、選手に伝わってしまった。このままでは邪魔になる」という言葉を残して。

激情家だった過去「ワシ、しょうもない選手やったからな…」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY