8年越しのドラマ生んだ「10.2」 鷹とオリ“伝説の2014年”を知る選手の現在地

オリ平野が40セーブ、T-岡田は4年ぶりに20HR以上を記録

 オリックスでは、平野佳寿投手はクローザーとして62登板、パ・リーグ史上初となるシーズン40セーブの快挙を達成。防御率こそ前年の1.87から3.43に悪化したものの、奪三振率は10.44と前年以上の数字を記録。当時も守護神としてチームを支える存在だった。

 比嘉幹貴投手も平野と同じ62登板で、防御率0.79。自己最多の20ホールドを記録した。海田智行投手はチームの勝ちパターンが右投手に偏る中で、貴重な左腕として19試合に登板したが、防御率7.58と結果を残せず。それでも、この苦い経験を活かして翌年から48、50試合に登板し、防御率2点台をマークした。このオフに戦力外通告を受けている。

 この年がプロ3年目だった安達了一内野手はチーム最多の143試合に出場。126安打、29盗塁、45犠打はいずれもキャリア最多だ。2016年に潰瘍性大腸炎を発症しながら主力として奮闘し、2021年からのリーグ連覇にも貢献している。T-岡田外野手は本塁打王を獲得した2010年以来、4年ぶりに20本超えの24発。シーズンでは主に5番を務め、クライマックスシリーズでは32本塁打のウィリー・モー・ペーニャ外野手に代わって4番も務めた。

 伏見寅威捕手はプロ2年目の2014年、1軍で5打数無安打。2軍では63試合で5本塁打、打率.310をマークしたが、ベストナインとゴールデングラブ賞に輝いた伊藤光捕手(現DeNA)や堅実な働きを見せた山崎勝己捕手の牙城を崩せず。将来の飛躍に向けて、研鑽を積むシーズンとなった。

 ソフトバンクは2014年の激闘を勝ち抜き、その後も常勝軍団と呼ばれるほどの黄金時代を築いた。オリックスは長きにわたる雌伏の時を経て、リーグ連覇を成し遂げるほどのチームになった。そして今季、「パーソル CS パ」のファイナルステージで両軍が対戦する。死闘となった8年前の記憶は、今も両チームの中に息づいているのかもしれない。

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