消えゆく“20世紀”の影 福留&内川引退で90年代&00年入団選手が残り1人に

今季で引退した中日・福留孝介(左)とヤクルト・内川聖一【写真:荒川祐史】
今季で引退した中日・福留孝介(左)とヤクルト・内川聖一【写真:荒川祐史】

残るは2000年西武ドラフト4位入団・中島裕之(宏之・現巨人)のみ

 今年もNPBの歴史を彩った名選手たちが、現役に別れを告げた。中日・福留孝介外野手、ヤクルト・内川聖一内野手らの活躍は印象深いものだった。1998年ドラフト1位で中日に入団した福留はメジャー、阪神と活躍の場を広げ、最後は中日でプレーした。2000年ドラフト1位で横浜(現・DeNA)に入団した内川はソフトバンク、ヤクルトと渡り歩いた。ベテランたちの引退で20世紀に入団した現役選手は残り1人に。2000年西武ドラフト4位入団・中島裕之内野手(宏之・現巨人)のみとなった。

 20世紀の終盤はどのようなシーズンだったのか。記憶に新しいようで、もう20年以上が経過している。1999年は中日とダイエー(現ソフトバンク)のリーグ優勝(日本一は4勝1敗でダイエー)で幕を閉じた、横浜高から西武に入団した松坂大輔投手が16勝で最多勝を獲得。セ・リーグでは巨人・上原浩治投手が新人としては19年ぶりとなるシーズン20勝をマーク。両リーグのルーキーが躍動した年でもあった。

 2000年は巨人とダイエーがリーグ優勝。巨人・長嶋茂雄監督とダイエー・王貞治監督の「ON対決」に注目が集まった。巨人が2連敗からの4連勝で日本一に。この年の巨人はレギュラーシーズンの優勝決定試合も劇的だった。本拠地での中日戦。4点ビハインドの9回に江藤智内野手が同点満塁本塁打を放つと、二岡智宏内野手がサヨナラ本塁打でフィナーレ。ミスターの喜ぶ姿が印象的だった。

 そんな時代に入団した福留や内川も、プロ野球界を牽引した。福留は1年目から132試合に出場し、リーグ優勝に貢献。2002年、2006年に首位打者となり、5度ゴールデングラブ賞を受賞した。内川は2008年に右打者として史上最高打率.378をマーク。両リーグでの首位打者と最多安打を獲得するなど、優勝請負人として力を発揮した。最後の“20世紀入団”選手となる40歳の巨人・中島は今季は代打の切り札としてプレー。62試合出場で打率は.242の成績も、ベンチでは存在感をしっかりと示していた。

 日本のプロ野球ではすでに21世紀生まれの選手が1軍デビューを飾っている時代になっている。2001年生まれでいうと、日本ハムの吉田輝星投手が1月、ヤクルトの奥川恭伸投手は4月、オリックス・宮城大弥投手は8月、佐々木朗希投手は11月生まれ。今季、セ・リーグの最多安打のタイトルを獲得した中日の岡林勇希外野手は2002年2月生まれ。今年の高卒新人は2003年生まれだ。若手の台頭にも期待しながら、ベテランたちの味わいのあるプレーもまだまだ楽しみたい。

(Full-Count編集部)

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