戦力外から“復活”も明暗くっきり 鷹右腕は防御率1.12、39歳ベテランは引退決断

阪神・渡邉雄大、ソフトバンク・藤井皓哉、楽天・川島慶三(左から)【写真:荒川祐史】
阪神・渡邉雄大、ソフトバンク・藤井皓哉、楽天・川島慶三(左から)【写真:荒川祐史】

ソフトバンク・藤井はセットアッパーでチームの優勝争いに貢献

 プロ野球のレギュラーシーズンが終わり、戦力外通告の時期が訪れている。選手にとっては厳しい現実が突き付けられる一方で、他球団に移籍し、返り咲くケースも。昨季にプロ人生の岐路に立たされながら、今季新天地を見つけた選手たちには“明暗”が分かれた。

 際立つ存在感を放ったのは、ソフトバンク・藤井皓哉投手。2020年に広島から戦力外通告を受けた右腕は、独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスで戦いを続け、昨年12月にソフトバンクと育成契約。オープン戦で5試合1勝0敗、防御率1.50と結果を残すと、3月に支配下契約を勝ち取った。シーズン中も21試合連続無失点を記録するなど好投。セットアッパーとして55試合に登板、6勝1敗、3セーブ、22ホールド、防御率1.12と優勝争いをするチームを支えた。

 藤井と入れ替わるように、昨季限りでソフトバンクを戦力外になったのが、渡邉雄大投手だ。4年間でわずか9試合登板に終わったが、昨年12月に阪神と育成契約し、今季開幕前に支配下登録された。8月に新型コロナウイルスに感染してからは登板機会はなかったが、32試合登板で、3勝1敗10ホールド、防御率2.45の成績を収めた。

 昨年末に巨人を戦力外になった日本ハム・古川侑利投手は、34試合登板で1敗3ホールド、防御率4.08。さらに、10年ぶりに古巣復帰となった藤田一也内野手も33試合の出場ながら、打率.250。今月8日の阪神とのクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージ初戦では「6番・三塁」でスタメン出場した。

 一方で新天地は見つけたものの、苦しんだ選手もいる。日本ハムを2019年オフに戦力外になり、メキシカンリーグからオリックスにテスト生から入団した中村勝投手。今年7月に支配下登録されたが、1軍ではわずか3試合で0勝1敗、防御率8.53に終わった。また、ソフトバンクを退団して楽天と契約した川島慶三内野手も12試合で打率.136。2年連続で戦力外通告を受け、今季限りでの引退を決断した。

 今月3~7日の第1次通告期間では55選手が戦力外に。クライマックスシリーズが終了すると、第2次通告期間が始まる。12球団合同トライアウトは11月8日に行われるが、新天地が決まる選手はごくわずか。オフシーズンを経て、来季に返り咲く選手はいるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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