19歳での“挫折”乗り越えプロ注目に 恩師も驚く元U18左腕、飛躍の3年間

西濃運輸・林優樹【写真:清水しんや】
西濃運輸・林優樹【写真:清水しんや】

2年目の春には約10キロの球速アップ、今季はいよいよドラフト解禁年

「ストレートの球速が上がってることを信じて体重を増やし、トレーニングをしました。答えが分からない状況が1年間続いて、2年目のキャンプの紅白戦で実戦復帰したときに142キロが出て。(故障前から)10キロくらい球速が上がっていたんです。今までやってきたトレーニングは正しかったんだなって(様々な考えが)結びつきました」

 フォームの改良もその一つだ。「今年のフォームは2年目と全然、違います。けど、今年の方がしっくりきました。そこに繋がるトレーニングもしましたし、2段モーションで身体の使い方もよくなったかなと思います」。高校時代に比べ、現在は身体を旋回させる形に進化している。

 ストレートの質が上がったことで変化球もより威力を増した。

「球速が増した分、変化球の感覚や抜け方が変わって苦戦することもあったんですけど、3年目になってようやく全部がマッチし始めて、やっと自分のピッチングができ始めました」

 2014年全国制覇のときのエースで、昨年12月に就任した佐伯尚治監督も、林の成長に目を細める。入部当初から昨秋まで投手コーチを務めていたこともあり「はじめは『高校生が入ってきたな』という感じでした。体力、筋力、スピード、その他すべてにおいて社会人(野球のレベル)に足りていなかったので、トレーニングをしたり、1年目はバント処理の練習をできる範囲で取り組んだりしました。今では身体が大きくなって、球も高校生のときと比べると見違えるほどよくなり、3年間、コツコツと努力してきたなと思います」と教え子のプロ入りを楽しみにしている。

 初めて経験した故障や挫折を乗り越え、“夢”を叶えることができるか。10月20日のドラフト会議で、林がもがき苦しんだ3年間の答えが明らかになる。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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