オリックスが26年ぶり日本一をつかめる“根拠” 顕著な投打の上積みで燕にリベンジ

打線のキーマンはシーズン不振だった昨季の本塁打キング?

 最後に、主な野手陣の成績を見ていきたい。球界屈指の強打者・吉田正尚外野手は、「パーソル クライマックスシリーズ パ・ファイナルステージ」でも4試合で2本塁打、打率.462、出塁率.563、長打率.923という驚異的な数字を記録してMVPを受賞。昨季は終盤戦に故障を負いながら日本シリーズでは打率.300とさすがの打撃を見せていただけに、絶好調で迎える今回のシリーズではさらなる活躍が期待できそうだ。

 そして、福田周平外野手と宗佑磨内野手の1・2番コンビ、優れた遊撃守備が光る紅林弘太郎内野手、頼れるベテランの安達了一内野手、それぞれ打撃成績を向上させた若月健矢、伏見寅威の両捕手といった昨季の主軸が、前年と同等かそれ以上の活躍を見せている点も頼もしい。

 さらに、中川圭太内野手が前年から大きく打率を向上させて主軸に成長。CSでは.400という高打率に加え、日本シリーズ進出を決める劇的なサヨナラ打を放った。また、西野真弘内野手は過去3年間続いた不振から脱し、CSではクリーンアップも務めてすぐれた選球眼を発揮。この2選手の存在は、昨季の日本シリーズからの明確な上積みと言える。

 その一方で、昨季の日本シリーズでは本塁打を記録したアダム・ジョーンズとスティーブン・モヤという2人の外国人選手がチームを離れた。また、主に5番を務め、打率.364と活躍したT-岡田外野手も今季は極度の不振に陥っており、長打力には一抹の不安が残る。

 その点、レギュラーシーズンでは成績を落とした杉本裕太郎外野手が、CSで打率.385、出塁率.500と大きく復調したのは心強い。また、シーズン11本塁打を記録した頓宮裕真捕手も台頭を見せており、この2名が長打力を発揮すれば、さらに打線の迫力は増しそうだ。

 オリックスの日本シリーズを制覇は、中嶋聡監督が現役捕手としてマスクをかぶっていた1996年までさかのぼる。最終日の大逆転という劇的な形でペナントレースを制した勢いそのままに、26年ぶりの栄冠を手にできるか。雌雄を決する運命の日本シリーズが、間もなくその幕を開ける。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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