「サブキャラ争い」に敗れて戦力外 4年間で痛感した“レギュラーになれない”ワケ

「少しでも可能性があるなら」…2軍では内野にも挑戦

 2軍にいては、どんなに活躍しても査定対象にはならない。たとえ脇役だとしても、1軍にいることが最低限“プロの証し”であると思った。使い勝手のいい選手になろうと、2年目からは2軍で一塁や三塁でも出場。「少しでも可能性があるなら」。何かきっかけをつかむためにもがいたが、今季も11試合出場にとどまり、中日のユニホームを脱がされた。

 通算59試合のプロ4年間を振り返り、何が足りなかったのかを冷静に考える。

「やっぱり、誰にも負けない一芸を持っている人が強いなと。球際が強かったり、肩が強かったり、足が速かったり、パンチ力があったり……。客観的に見た時に、自分は小さく収まってるなと思いました」

 打撃も、足も、肩も、“そこそこ”。総合力で勝負するにも、克服できない弱点もあった。「どうしてもバントが苦手で……」。小技が効かなければ、ひとつチャンスを失う。1軍の外野陣では、守備力に定評のある後藤駿太外野手や俊足の加藤翔平外野手らがベンチに控える中、自らの居場所を確保できなかった。

 レギュラー争いの下にある、1軍のベンチ入りをめぐる争い。敗れた者には、遠からず戦力外がやってくる。「自分は完全に負けました。ただ、それだけだと思います」。実力不足を真正面から受け止めた滝野氏。潔くプロの舞台を去り、第2の人生へと進む。

(小西亮 / Ryo Konishi)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY