台湾プロ野球後期を制した“阪神ライン” 林威助監督と平野恵一コーチの中信兄弟

中信兄弟・林威助監督【写真提供:(C)CPBL】
中信兄弟・林威助監督【写真提供:(C)CPBL】

後期も大激戦、林威助監督の中信兄弟が猛烈な追い上げでV

 前後期各60試合制、5チームで行われている台湾プロ野球の今季は、前期に続き後期も混戦となった。前期を制した楽天モンキーズは10月22日、本拠地の楽天桃園球場で味全ドラゴンズと対戦した。この時点で楽天は首位の中信兄弟を2差で追い、残り3試合を全勝すれば、同率で優勝決定戦に持ち込む可能性を残していた。

 試合は、2-1と楽天リードで迎えた9回表、回跨ぎで続投したクローザーのヘーゲンズ(元広島)があと1人の場面から4点を失い、逆転を許すまさかの展開に。その裏粘って同点に追いついたものの、延長12回の末、5-5で引き分けた。この瞬間、楽天の後期優勝の可能性が消滅し、中信兄弟の18度目(前身の兄弟エレファンツ時代を含む)の半期シーズン優勝が決定した。

 中信兄弟も、19日の時点で後期優勝マジックを1とし、この時点では直接台湾シリーズに進出できる年間勝率1位の可能性を残していた。しかし20日と21日、本拠地・台中インターコンチネンタル球場で行われた味全戦で実に1か月半ぶりとなる連敗を喫し、年間3位。味全とのプレーオフ(5勝3勝制)に回ることが決まった。林威助監督(元阪神)は「選手たちはシーズンを通じて頑張ってくれた。最大7差から1試合1試合努力し、後期優勝をつかむことができた」と健闘を称えた。

 実際に、8月末以降の中信兄弟の戦いは見事だった。7月22日にスタートした後期シーズンも、前期同様に楽天がロケットスタートを決め、勝率は一時9割に。楽天の前後期優勝で決まったかに思われた。

 前期は楽天に4.5ゲーム差の2位だった中信兄弟は、前期の終盤にショーン・モリマンド投手が韓国プロ野球のSSGへ移籍、またテディ・スタンキビッチ投手も家庭の事情により帰国。先発外国人三本柱のうち2人が退団し、後期はさらなる苦戦が予想されていた。

後期の快進撃には鄭凱文、呂彦青といった元NPB投手の活躍も

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