戦力外経て“最後の1人”が大出世 1位が4人阪神入りの珍事も…2013年ドラフト組の今

西武・森友哉、楽天・松井裕樹、阪神・岩貞祐太(左から)【写真:荒川祐史】
西武・森友哉、楽天・松井裕樹、阪神・岩貞祐太(左から)【写真:荒川祐史】

渡邉諒が日本ハムから阪神へ、岩貞、加治屋、鈴木に続き“ドラ1同期”4人が在籍

 今オフ、日本ハムの渡邉諒内野手が2対2のトレードで岡田新体制の阪神へ移籍した。渡邉は2013年秋のドラフトで“外れ外れ外れ”1位で、東海大甲府高から日本ハムに入団。この3回目のくじで、日本ハムと阪神が競合した岩貞祐太投手(横浜商大)と同じ縦縞のユニホームに袖を通す。このドラフトでは1位となった12人のうち、なんと4人が後に阪神入りという珍事が発生。さらに振り返ると、新天地で活躍している選手も多い。

 2013年のドラフトは1位入札が特定の選手に集中し、くじ引きが多かった。1位指名では松井裕樹投手(桐光学園高)に5球団が入札し、楽天が引き当てた。松井は楽天の不動の守護神として、9シーズンで197セーブを積み重ねた。3球団が競合した大瀬良大地投手(九州共立大)は広島へ。18年に15勝7敗、勝率.682で最多勝と最高勝率の2冠に輝いた。単独入札だった西武・森友哉捕手(大阪桐蔭高)も2019年に首位打者とMVPを獲得するなど、球界を代表する打者に成長した。

 9年目のシーズンを終え、活躍の場を変えた選手も。渡邉の移籍で、ドラフト1位で入団した12人中4人が阪神に在籍という“珍事”も発生する。ドラ1で阪神に入団した岩貞以外にも、ソフトバンクの1位だった加治屋蓮投手(JR九州)と中日1位の鈴木翔太投手(聖隷クリストファー高)が2020年オフに戦力外通告を受け阪神に移籍。さらに今オフ、渡邉が日本ハムから移籍した。

 一方、巨人のドラフト組では、1位の小林誠司捕手(日本生命)を除いて支配下指名が全員他球団に移籍している。2位の和田恋外野手(高知高)は、2018年に2軍で本塁打と打点の2冠に輝いたが、翌2019年に楽天へトレードされた。また、3位の田口麗斗投手(広島新庄高)はヤクルトに移籍し、今季はセットアッパーとして44試合に登板。1勝1敗2セーブ、18ホールド、防御率1.25と活躍。“ひとりリーグ4連覇”を達成した。4位の奥村展征内野手(日大山形高)と、5位の平良拳太郎投手(北山高)もそれぞれFA選手の人的補償としてヤクルト、DeNAに移籍した。

 この年のドラフトで、最後に指名された今野龍太投手(岩出山高)も新天地で活路を見出した。9位で楽天に指名され2019年に戦力外に。2020年にヤクルトと契約すると、3年間で135試合に登板し、8勝4敗、1セーブ44ホールドを上げた。今季の日本シリーズでも登板している。

(Full-Count編集部)

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