燕の新星・長岡秀樹、高校入学時は目立たなかった プロの道開いた「地味な練習」
プロでさらに向上した守備「ヤクルトでいい人たちに出会った」
課題だった打撃向上のきっかけとなったのは、2年の秋だ。練習試合で怪我をしてしまい、練習に参加できない期間はウエートトレーニングに励み、食事の量も増やして身体を大きくした。その結果、3年の春先から打力がアップ。夏の千葉大会では4回戦の対専大松戸高戦で横山陸人(現ロッテ)から本塁打を放つなど、チームを準優勝に導いた。
「長岡が2年の春、一つ上の学年の清宮(虎多朗・現楽天)をスカウトの方が見に来た時に、長岡が打って、そこから長岡のことも気になっていたみたいです。その後もスカウトの方が見に来ることが何度かあったのですが、そういう時にことごとく打っていた。3年の夏にバッティングの状態が上がったことも、プロ入りにつながったと思います」
昨年までの2年間で1軍出場は計11試合だったが、今年はキャンプからアピールを続け、開幕スタメンをつかんだ。そして遊撃のレギュラーを獲得。飛躍の1年になった。
「クライマックスシリーズの初戦を神宮に見に行きました。守備がいいということを色々な記事で目にしていましたが、実際に見たら高校生の時とは全く違いました。プロで鍛えてもらったんだなと感じました。ヤクルトに入って、いい人たちに出会ったんだと思います」
頭角を現したシンデレラボーイは、球界屈指の名手へと更なる成長を遂げるか。その活躍から今後も目が離せない。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)