帰省中に球団から電話「とりあえず来てくれ」 ロッテ157キロ右腕・小野郁を変えた“人的補償”

ロッテ・小野郁【写真:小林靖】
ロッテ・小野郁【写真:小林靖】

小野は2019年オフに鈴木大地の人的補償でロッテへ移籍

 FA移籍に伴う人的補償要員としてチームを移り、新たな地で奮闘する右腕がいる。ロッテの小野郁投手は、2020年に楽天から加入後、中継ぎとして3年連続で40試合に登板。奇しくも移籍が大きな転機となり、1軍の舞台で活躍を見せている。

 2014年のドラフト会議で楽天から2位指名を受けて入団。西日本短大付高(福岡)時代は最速153キロを誇り、1位指名を受けた安樂智大投手とともに、高卒の剛腕投手として期待を集めた。しかし、それから5年。2軍では好投しても、1軍では打たれてしまう日々が続いた。2018年から2年連続でイースタン・リーグの最多セーブに輝いたが、2019年は1軍では13試合に登板して防御率は6.27だった。

 同年オフの11月中旬、楽天はロッテからFA権を行使した鈴木大地内野手を獲得する。それから1か月後、小野は実家のある福岡に帰省中、電話で球団に呼び出された。

 楽天は2016年オフに西武から岸孝之投手、2018年オフには浅村栄斗内野手を金銭で獲得しており、「今回も金銭なのかな」と思っていた。しかし、電話が鳴った時点で予感はしていた。「とりあえず来てくれと言われて、時期も時期だったので」。仙台の球団事務所に向かうと、石井一久GMに移籍を告げられた。

「ビックリはしました。まさか自分が選ばれるとは思ってもいなかったです。1軍で投げている訳でもなかったですし……。急なことだったので(石井さんからは)何て言われたかちょっと覚えていないです」

 まだ23歳。でも不安と焦りもあった。すでに5シーズンプレーしたが、結果を残せていない。「楽天と同じようにやっていてもダメだなと。ロッテでは1年目と同じような気持ちでやらないと」。心機一転、ロッテのユニホームに袖を通した。

ロッテ移籍後は3年連続で40試合登板、ゆくゆくは守護神へ

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