常に200万円持ち歩いた星野仙一監督の側近 選手への“超高額ご褒美”にあった盲点

高額監督賞には反省点も「当たり前になったら選手が50万円では喜ばなくなってきた」

 当時、早川氏が常に所持していた200万円もそのお金だ。監督賞だけでなく、選手、スタッフ、裏方の夫人には誕生日に花束、優勝したときには指輪などもプレゼント。「北海道に行ったとき、裏方に1万円ずつ渡してこいってなったんだけど、ちょっと待て、本人たちはすぐ使ってしまうだろうから、それぞれの家に夕張メロンを送れってなったり……」。すべてはチームのため。お金の使い方も実に巧みだった。

 もっとも、この高額監督賞には反省点もあったという。「それが当たり前になったら選手が50万円では喜ばなくなってきたんです。チームの調子が落ちているときに、選手だけでどうすれば勝てるか、話してこいってなったとき、言ってきたのが賞金を倍にしてくれますか、だったからね」と早川氏は苦笑する。もちろん、これを聞いた星野監督は大激怒。「野球のことで、もっとこうしますって言ってくればいいけど、何が金が、だ! もう1回話してこい!」とほえたそうだ。

 とにかく、怒らせたら怖いどころではない闘将だったが、当時の選手たちをさらに震え上がらせたのが、高額監督賞と正反対の高額罰金だ。なにしろ、多いときはいきなり100万円徴収なんてことさえもあったのだから無理はない。だが、これにも星野流のやり方があったという。早川氏はそんな罰金システムのからくりと、野球に関して超厳しかった星野監督の真意を仰天のプロレスエピソードをまじえて話し始めた。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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