覚醒した新人は“ジーターの再来” 年俸52億円男の代役が与えた衝撃の1年に米注目

アストロズのジェレミ―・ペーニャ【写真:ロイター】
アストロズのジェレミ―・ペーニャ【写真:ロイター】

25歳のペーニャはルーキー野手では初のワールドシリーズMVPに輝いた

 アストロズはワールドシリーズでフィリーズを破り、5年ぶりの世界一に輝いた。MVPを獲得したのが、ジェレミー・ペーニャ内野手。ルーキー野手では初めての栄冠を勝ち取った25歳は、落ち着きぶりとチャンスに強いプレーで、ヤンキースの元主将デレク・ジーター氏の“再来”と注目されている。

 アストロズ地元メディア「Chron」はペーニャを特集。2020年は新型コロナ禍でマイナーリーグのシーズンが中止、2021年は手首の怪我でほとんどプレーできず、2A以上のレベルではわずか30試合の出場だった。そして今年4月、チームのレジェンド的存在だったカルロス・コレアが年平均3510万ドル(約51億6000万円)という巨額でツインズにFA移籍した後任としてメジャーデビューを果たし、シーズン136試合出場で22本塁打を放った。

 ポストシーズンは、マリナーズとの地区シリーズ第3戦の延長18回に決勝弾。リーグ優勝決定シリーズではヤンキース投手陣を打ち崩し、シリーズMVPに選出された。さらにワールドシリーズでも攻守にわたって活躍。同シリーズ打率.400、両軍トップのOPS1.023をマークし、5年前のコレア同様チームを優勝に導いた。

 同年にリーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズ両方でMVP選出は史上9人目であり、ワールドシリーズMVPにルーキーが選出されたのは1997年のリバン・ヘルナンデス以来。第5戦での本塁打はワールドシリーズ新人史上初で、ポストシーズン20安打はルーキー史上3番目だった。これらを見ても、いかにペーニャが凄かったかが分かる。同メディアも「(大抜擢した)ジェームズ・クリックGMの信頼がようやく実り、ペーニャはワールドシリーズMVPに選出された史上初のルーキー野手となった」と称えた。

 さらに「ペーニャはその落ち着きぶりとチャンスに強いプレーから、デレク・ジーターと比較されている」と同メディア。ダスティ・ベイカー監督も第5戦の後に「彼はこのところチームを背負って立っている。若い選手、特に若い遊撃手にとっては非常に難しいことだ」と賛辞を送っていた。

 スターひしめくチームだけに「オールスターや将来殿堂入りが見込まれる選手だらけのこのチームで、10月と11月(のポストシーズン中)に話題をさらったのはマイナー経験がほとんどないままデビューしたルーキーだった。彼は来季以降も、アストロズ王朝の顔になるだろう」と期待は大きい。衝撃デビューの2022年を経て、来季はさらに存在感を増していきそうだ。

(Full-Count編集部)

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