“最後の近鉄戦士”が迷った引退 「勇気が必要だった」決断、坂口智隆が流した涙

今季限りで現役を引退したヤクルト・坂口智隆氏【写真:中戸川知世】
今季限りで現役を引退したヤクルト・坂口智隆氏【写真:中戸川知世】

現役引退後、独占インタビューで激白「ファンからの声援が嬉しくて、感謝で涙が出た」

 今季限りで現役を引退したヤクルトの坂口智隆氏。度重なる怪我に悩まされながらも近鉄、オリックス、ヤクルトでプロ20年間を戦い抜いた。“最後の近鉄戦士”としてバファローズ魂を背負った男は、ユニホームを脱いでも野球への情熱は衰えることない。今回、Full-Countの単独インタビューに応じ、古巣への思い、後輩たちに伝えたいこと、そして、今後の人生について赤裸々に語った。

 ヤクルトとオリックスが2年連続で死闘を演じた日本シリーズ。引退後の初仕事は解説者として古巣の頂上決戦を見届けた。ユニホームではなくスーツに身を包み、試合内容を振り返るため、スコアブックを片手に1球、1球を自ら記入。グラウンドの中ではなく、初めて見る外からの景色は新鮮だった。

「今まで気付かなかったことがたくさんあって、全てが勉強になった。現役の時にもっと視野を広く見ることができたら、もう少しできたんじゃないかなと(笑)。いい試合を見せてもらった。改めて、自分は野球が大好きなんだと実感しました」

 今季限りで自ら現役引退を決断したが、シーズン前には「体的にはここ数年で一番、動いていた。今シーズンはある程度『できるな』と思って自信もあった」と明かす。

 ただ、2軍暮らしが続き若手たちとプレーする中で「自分の立ち位置を考えた時にちょっと違和感があった。ずっとレギュラーを目指してここまでやってきたのに中途半端じゃいけない。若い選手を見て、決断をしないといけないと思った。この若手たちの中で終わりたいなと。僕の中では幸せな辞め方ができたと思う」と、気持ちに変化があった。

“最後の近鉄戦士”と呼ばれ「バファローズの思いを背負う責任が自分にはある」

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