WBC韓国代表は「招集すらできない」 地元紙が進まぬ準備に嘆き…MLB訪韓中止の影響大

MLBの「コリア・シリーズ」の会場となる予定だった高尺スカイドーム【写真:Getty Images】
MLBの「コリア・シリーズ」の会場となる予定だった高尺スカイドーム【写真:Getty Images】

準備を進めてきた技術委員長がLG新監督となり降板? 日本の準備と対照的

 栗山英樹監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は、日本ハム、巨人、そして豪州と2試合の実戦を行い、来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への準備を進めている。これに反応しているのが、同じプールBで最大のライバルと目される韓国だ。日刊紙「スポーツ朝鮮」は「日本はもうWBC球で練習…韓国代表は本当に大丈夫なのか」と題する記事を掲載、準備の遅れを心配している。

 記事は、栗山監督が10月に韓国を訪れ、自身の目で韓国プロ野球の選手をチェックしたこと、さらに豪州戦に完勝したことを紹介。「日本代表チームは、すでにWBCへ焦点を合わせている。すでにWBCで使用することになる公認球を使用し、WBC規定と同じくイニング間のベンチ前でのキャッチボールを禁止している。試合前の練習も、国際大会規定のように打撃ケージ1台だけの練習を行っている。すべてをWBCに合わせて練習しているわけだ」とその徹底ぶりを紹介している。

 これと対照的なのが韓国の現状なのだという。監督は韓国プロ野球KTの監督を務めるイ・ガンチョル氏に決まっているものの、チームのシーズンが続いていたこともあり「代表チームに気を使うことはできなかった」という。代わりに技術委員長のヨム・ギョンヨプ氏が米国で韓国系のメジャーリーガーと会うなどの準備を続けてきたものの、先日プロ野球LGの新監督に就任。「技術委員長の座を降りるという状況だ」という。

 また、実戦不足も問題だ。本来であればまもなく、メジャーリーグの「ワールドツアー」が釜山とソウルで行われ、メジャーリーガーと韓国代表チームが3回対戦する予定だった。ところが、開催まで2週間となってから突然の中止。「何人かの技術委員が日本に渡って戦力分析をしてはいるが、韓国代表チームは年末の最終エントリー発表前まで招集すらできない状況だ」としている。

 記事は「すでに過去数年間、国際大会では失望的な成績を残している中、来年のWBCまで成果を残せなければ苦労だけで、手に何も残らないことになる。MLBのワールドツアーが中止になってから、追加の強化試合が計画されないのが残念でならない」と日本と比べた時の準備の遅れを嘆いている。

(Full-Count編集部)

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