森友哉加入も…埋まらぬ吉田正尚の“穴” 即効薬も必要だが…オリの描きたい「未来」

オリックス・元謙太(左)と来田涼斗【写真:荒川祐史】
オリックス・元謙太(左)と来田涼斗【写真:荒川祐史】

移籍となれば来田涼斗、元謙太ら若手外野手は大チャンス

 26年ぶりに日本一に輝いたオリックスが、激動のストーブリーグを送っている。計14人に戦力外を通告したのをはじめ、11月10日には齋藤綱記投手とのトレードで、石川亮捕手を日本ハムから獲得。同月16日には、西武からFA権を行使した森友哉捕手の加入を発表した。さらに17日には、主砲・吉田正尚外野手のポスティングを球団が容認。メジャー移籍への後押しを決断したが、チームの屋台骨が揺らぐ可能性もはらむ。

 リーグ3連覇へ――。元首位打者の森を獲得したとはいえ、吉田正が抜けるとなれば穴は塞ぎきれない。怪我で離脱することもあったが、6年連続で打率3割超えと安定的に攻撃陣の中心を担ってきた。今季は杉本の不調もあり、主軸としてほぼ1人でチームを引っ張った。それでもリーグ最少のチーム89本塁打。来季に杉本が本来の姿を取り戻しても、現有戦力ではカバーできる状況ではない。

 即効薬となるのは、助っ人の獲得。そしてFA権を行使した日本ハム・近藤健介外野手の獲得だが、やはり長期のスパンで見ると若手の台頭が欠かせない。その中でも、打力に期待されるのは来田涼斗、池田陵真、元謙太の3人だ。

 10月のドラフトでは、外野手は4位指名の杉澤龍(東北福祉大)のみで、高卒外野手の育成は喫緊の課題だ。来季3年目を迎える来田は、2020年に1軍で2本塁打を放っており、今季は2軍でチームトップの7本塁打を記録した。豪快なスイングが魅力で、ともに自主トレを行ってきた吉田正を彷彿とさせる。

 大阪桐蔭高出身で19歳の池田は、小柄ではあるがパンチ力が魅力。今季1軍でプロ初安打を含む3安打を放ち、2軍でも4本塁打を放った。2020年ドラフト2位の元も3拍子揃った外野手で、1軍で5試合に出場し初安打を記録するなど経験を積んでいる。

 3選手ともすぐに活躍とはいかないかもしれないが、吉田正が移籍となれば来季は1軍でアピールするまたとないチャンスが巡ってくる。主力の流出は痛いが、裏を返せばチームを再構築するきっかけでもある。新生オリックスを担う、若手の台頭に期待したい。

(Full-Count編集部)

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