亡き恩人に「心の中で叫んだ」 裏方から日本一の名参謀へ…人生変えた“5分の財産”

三村氏に勧められた読書が習慣に「本当に今、役に立っている」

「本を読めって言われましたね。5分でええから新幹線の中で読んどけって。その後は寝てええからって。そこからスタートせい、それを癖にせい、かばんの中に1冊入れとけ、暇な時に読むように頑張って心掛けてみい。将来のため、勉強になるからって」。最初は三国志から読み始め「『どうやった』って三村さんに聞かれたから、3ページで寝ましたって言いました」と言うが、いつしか読書が習慣になった。「本当に今、役に立っていると思います」と話した。

 広島監督時代の三村さんの背番号は「78」。奇しくも今、水本ヘッドが支える中嶋監督の背番号も「78」だ。「それは偶然ですよ」というが、これも運命なのかもしれない。「(広島と)違う球団を経験することも三村さんと重なっています。不思議な感じはしますよね」。

 シーズンオフにお墓参りは欠かさない。「お墓でも日本一の報告をしますよ」。そして、こうも話した。「僕が三村さんにきっかけを作ってもらったように、選手や若いコーチに何かきっかけを与えたいということを目標にやっています」。水本ヘッドにとって、恩師との思い出は大きな、大きな財産だ。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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