燕自由契約の助っ人は掘り出し物? 年換算30発ペース…フィットする球団は

ヤクルトを自由契約になったパトリック・キブレハン【写真:小林靖】
ヤクルトを自由契約になったパトリック・キブレハン【写真:小林靖】

ヤクルトのキブレハンの自由契約が発表された

 日本野球機構(NPB)は22日、ヤクルトのパトリック・キブレハン外野手を自由契約選手として公示した。今季開幕後に加入し、29試合で打率.241、6本塁打をマーク。リーグ制覇にも貢献したが、チームにはオスナ、サンタナといった好成績を残した助っ人がおり、1シーズンでお役御免となった。ただ、本塁打率は非常に高く、143試合換算では30発放つ計算となる。長打力を求める球団から、声がかかる可能性もある。

 開幕直後にサンタナが怪我で帰国してしまったこともあり、4月29日に獲得が発表され、5月下旬に来日した。7月5日の巨人戦(東京ドーム)で1軍デビューを果たすもわずか5試合の出場で2軍落ちとなったが、8月中旬に1軍復帰。8月27日のDeNA戦(横浜)では1試合3本塁打を記録するなど、パワーのある打撃をアピールした。しかしサンタナが順当に復帰したこともあり、出場は29試合に終わり、打率.241、6本塁打14打点、OPS.758の成績でシーズンを終えた。

 1試合3発といった爆発があったものの、少ない試合の中で6本塁打を放っており、143試合に換算すると30発ペースと長打力の片鱗は見せている。更にDeNA戦では打率.400(20打数8安打)、5本塁打8打点、OPS1.579を記録し、“DeNAキラー”でもあった。日本で20発以上の本塁打を期待できるとなれば、引く手あまただ。今季NPBの助っ人で20本塁打以上は巨人のポランコとウォーカー、ヤクルトのオスナだけで、どの球団も長打を打てる助っ人を欲している。

 ただ、守備力は課題。プロ野球の分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の指標を見ると、左翼のUZRは-7.7と低い数字だ。守備を求めなければ、今季DeNAに対し6勝18敗1分と苦戦し、チームとして長打力、左翼手の打撃が課題の中日や、DHの使用できるパ・リーグ球団にフィットする可能性もある。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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