高校の監督に転身した“松井キラー”遠山昭治氏 激戦区・大阪を勝ち抜くための指導理論

自身の高校時代をイメージして指導…打撃を実演することも

 いろんな学校と練習試合を行っているが、大阪桐蔭と履正社とはしていない。「ある程度、ちょっと楽しみやなとか、試したい時には申し込むわって言っているんです。今やっても2桁以上取られるし、そんなのは相手に失礼。練習試合はお互いが伸びなきゃ意味がないってね」。土台作りを行い、徹底的に仕上げて、来たるべき時には、その力をさらに爆発させたい。そう考えて指導に取り組んでいるのだ。

 ロッテ時代に野手に専念したこともあった遠山氏は打撃指導で実演も行う。「カーブはまだ打てて、軽くネットとかまで行くのでね」。そして生徒にはこう言う。「なっ、力じゃないよな、俺、55(歳)であそこまで飛ばすんやから、見ててわかるやろ、やっぱり下がしっかりして体の回転でポンと打っただけで飛ぶやろ」。元プロではなく、自身が高校の時をイメージして、教えているそうだ。

「僕は生徒たちができることをしなかったら、厳しく言います。できないことには言わない。手を伸ばせば届くところを、伸ばそうとしなかったから言うんやでって説明もしています」。頭の中は生徒のことでいっぱい。「僕も負けっぱなしは嫌なんで。そりゃあ、やるからには勝たないとって思ってますから」。実際、チームは少しずつ、前進している。加えて、この3年間で、だんだん変わってきたことがあるという。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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