貢献度で“圧倒”も受賞逃す… パのベストナインは順当なのか…データと比較してみた

オリックスへのFA移籍が発表された西武・森友哉、ソフトバンク・柳田悠岐、西武・源田壮亮(左から)【写真:荒川祐史】
オリックスへのFA移籍が発表された西武・森友哉、ソフトバンク・柳田悠岐、西武・源田壮亮(左から)【写真:荒川祐史】

森友哉は捕手でトップ、全体でも13位の「3.7」、受賞した甲斐は「0.5」

 日本野球機構は24日、今季のセ・パ両リーグのベストナインを発表した。パ・リーグでは日本一になったオリックスと2位ソフトバンクから最多の3人が選出。記者投票によって選ばれた同賞だが、データで選ぶ場合と違いは生まれたのか。検証してみたい。

 データには打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を測る指標「WAR」を用いる。セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照した。

 パ・リーグではオリックスから山本由伸、宗佑磨、吉田正尚、ソフトバンクから甲斐拓也、今宮健太、柳田悠岐とそれぞれ3選手が受賞。楽天から浅村栄斗と島内宏明、西武の山川穂高、日本ハムの松本剛が選ばれ、ロッテの受賞者はなかった。

 野手の「WAR」で見ると、パ・リーグのトップは吉田正の「4.9」で、山川の「4.7」、今宮の「4.6」、松本剛の「4.5」と続く。ここまでの4人は順当にベストナインに選出されている。5位で「4.4」の西武・源田壮亮は、遊撃で今宮に敗れて選外だったが、指標上でも同じ結果になっている。

 西武の森友哉は捕手でトップ、全体でも13位の「3.7」を記録したが、甲斐に41票差をつけられて2位に沈んだ。一方の甲斐は「0.5」と、指標上では両者の評価はかけ離れていた。

 二塁手では、西武の外崎修汰が8位の「3.8」も、2票と伸びなかった。受賞した浅村は「4.2」と指標上では大きな差はなかったが、224票と圧倒的な支持を得た。楽天の辰己涼介は守備で稼いで7位の「3.8」。柳田は16位の「1.8」と指標上の貢献度は辰己の半分以下だったが、3年連続7度目の受賞となった。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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