大谷翔平が躍動も…なぜ“なおエ”? 米番記者が語る他球団との決定的な“差”

トークイベントに登場したジェフ・フレッチャー氏【写真:宮脇広久】
トークイベントに登場したジェフ・フレッチャー氏【写真:宮脇広久】

オフはウルシェラら続々補強で「彼らの打棒に期待する」

 そこで球団はオフに入り、ツインズからジオ・ウルシェラ内野手、ブルワーズから今季29本塁打のハンター・レンフロー外野手をトレードで獲得。フレッチャー氏は「彼らの打棒に期待する」とうなずく。

 しかし、エンゼルスの低迷は今季始まったわけではない。ワールドシリーズからはチャンピオンに輝いた2002年を最後に20年間、プレーオフからも2014年を最後に8年間も遠ざかっている。長期低迷には、もっと根本的な原因があるはずだ。

 フレッチャー氏はトークイベント終了後、「Full-Count」の取材に応じ「実はマイナーリーグの育成システムに問題があり、優秀な若手が育ってこないのです」と語り、「だからトップチームに怪我人が出た時、代わりになれる選手がいない。怪我人はどのチームにも出るが、選手層の厚さに問題があるエンゼルスは、他のチームなら埋められる穴を埋められない。そこが長年の課題です」と強調した。

 大谷は今年10月、来季年俸3000万ドル(約42億円)で1年契約を締結した。ペリー・ミナシアンGMは「大谷はエンゼルスで来季開幕を迎える」と断言している。それでも、来年の2023年オフにFAとなることから、来シーズン中に他球団へトレードされる可能性は払拭できない。フレッチャー氏も「(トレード期限の)7月にエンゼルスが低迷しているようなら、大いにありうる」と認める。いずれにせよ、チーム強化策を根本的に見直さない限り、プレーオフに絡む戦いを熱望している大谷を、来年オフFAとなった後に引き止めることは至難と言えそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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