来日する機内で予習「みんな笑っていた」 1年で去った元燕助っ人が味わった“現実”

1993年にヤクルトで活躍したレックス・ハドラー氏【写真:小谷真弥】
1993年にヤクルトで活躍したレックス・ハドラー氏【写真:小谷真弥】

30年前の映画「ミスター・ベースボール」を“教科書”にした元ヤクルト助っ人

 30年前に公開された米映画「ミスター・ベースボール」を覚えているだろうか。輝きを失ったメジャーリーガーが渋々ながら日本球界に移籍し、衝突しながらも異国に順応していくーー。NPB入りが決まったMLB選手たちにとっては“教科書”とも言える内容で、ストーブリーグに入っている今、ニューヨーク・タイムズが改めて紹介。真っ先に活用したのが、ヤクルトの元助っ人だと振り返っている。

 映画が公開された1992年のオフ、ヤクルトへの移籍が決まったのがレックス・ハドラー氏だった。異国に向かう航空機の中で、早速観賞したという。「すごく参考になった。同じ機内には野球をしに日本に向かっている人は他にいなかったので、みんな笑っていた」との逸話も。メジャーとは全く違う事情も多く「私は半信半疑ながら、映画のすべてをスポンジのように吸収した」と学んだ。

 ミスター・ベースボールは現実のものとなり、首脳陣との関係性に苦戦。ただ、終わってみれば120試合に出場して打率.300、14本塁打64打点をマーク。記事は「ハドラーはこの年序盤こそ苦戦したものの打率.300をマークし、スワローズの優勝に貢献した。だが“スケット”はHRを打つことを期待されるもので、彼の14本では足りなかった。再契約はなかった」と説明している。

 わずか1年のNPB参戦には、まだ続きがあった。「驚いたことに、米国への帰国便の機内映画は、また“ミスター・ベースボ―ル”だった」という事実。ハドラー氏も「2度目は大笑いした。なんてこった、自分が経験したことにかなり近い。最初は見ていて半信半疑だったが、(行ってみて)経験してみたら、なるほどと思った」と笑ったという。

 ルールは同じでも、やっぱり違った野球とベースボール。記事では「それでも彼は日本で過ごした時間を今でも大切にしており、人生最高の経験の一つだったとしている」とまとめた。

(Full-Count編集部)

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