鷹を変えた「ポストシーズンの鬼」 NPBから引退…内川聖一が残した“数々の衝撃”

引退セレモニーでの内川聖一(中央)【写真:荒川祐史】
引退セレモニーでの内川聖一(中央)【写真:荒川祐史】

CSでのサヨナラ打、4試合連続HRなど印象的なシーン多数

 内川の印象的なシーンを振り返る。

○CSファイナルでサヨナラ打(2015年10月14日)

 2015年のCSファイナルステージ初戦。10回1死満塁の状況で打席に入った内川は、低めに落ちる変化球へ巧みにバットを合わせる。その打球は狙いすましたかのようにライト前に落ち、値千金のサヨナラ打に。打撃技術が詰まった一打が、CSを勝ち抜くための勢いをもたらした。

○CSで4試合連続ホームラン(2017年10月18日~21日)

 通算3度CSのMVPに輝いた内川のキャリアの中でも、2017年に見せた4試合連続本塁打、5試合全てで打点を記録という離れ業は出色だった。「短期決戦の鬼」と呼ばれた勝負強さをまざまざと見せつけ、2連敗からのCS突破の立役者となった。

○CS歴代最多となる通算10本目の本塁打(2019年10月7日)

 2019年のCS第3戦。1-1の同点で迎えた7回に、内川はCS歴代最多となる10本目の本塁打を記録した。この一打が決勝点となってチームはファイナルステージに駒を進め、最終的には日本一まで駆け上がった。内川の記念すべき本塁打は、チームにとっても非常に大きな価値を持つものだった。

 2004年、2005年、そして2010年と、ソフトバンクはリーグ戦を勝率1位で終えながらプレーオフで涙をのみ、日本シリーズに進出できなかったシーズンが3度もあった。しかし、内川が加入した2011年からは負のスパイラルが払拭され、「常勝軍団」と呼ばれるほどに、ポストシーズンで無類の強さを誇るチームに成長を遂げていった。

 その過程において、内川が果たしてきた貢献は、計り知れないほどの価値があったことだろう。在籍10年間で数々の金字塔に到達した稀代のヒットメーカーは、まさに記録にも、記憶にも残る偉大な選手だった。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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