「お前らは史上最低な代」 最後の近鉄戦士が後悔する、高校時代の指揮官との“衝突”

今季限りで現役を引退したヤクルト・坂口智隆氏【写真:中戸川知世】
今季限りで現役を引退したヤクルト・坂口智隆氏【写真:中戸川知世】

青木監督から「投手嫌なんか?」に「嫌です」

 1年生からレギュラーとして活躍し、チーム初の甲子園にも導いた大黒柱。気分によって練習態度も変化し、試合では審判の判定に不服な表情を見せることもあった。いつしか“お山の大将”と化した姿を見かねた青木監督から「お前だけで野球やってるんじゃないぞ」と、大目玉を食らう。

 チームが一つにならないまま、新チームは練習試合でまさかの連敗。指揮官から「投手嫌なんか?」と問われると、打者への思いが強く投手への執着が無くなっていた坂口氏は「嫌です」と答えてしまう。練習にも身が入らず、わずか2週間で主将を剥奪された。優勝候補の一角として注目され、2年連続の選抜出場をかけた秋季大会は神戸地区3回戦で敗れ、県大会も初戦の2回戦で敗退した。

「試合の勝ち負け、練習でも『全部俺かよ』って。まだ高校生だったので、そこまで周りを見ることができなかった。投手でも甲子園で142キロは出たけど、何で出たのか根拠がなかった。それ以来、スピードも出ず勝手にサイドスローにしたり。腰も痛くて言い訳ばかり。今考えると後悔しかないし、自分はダサいなって」

 一冬越えた2002年の春季大会も西神戸地区・2回戦で敗退。大きな期待が寄せられた新チームだったが、秋春と2季連続で甲子園にかすりもしない結果に、青木監督の怒りは大爆発した。

「やんちゃな奴ばかりで手がかかる。お前らは史上最低な代だ!」

高校野球最後の夏を迎え「早く負けたら、いっぱい遊べる」

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