大田泰示「しんどかった」 ノンテンダーから1年、折れかけた心を蘇らせた番長の言葉

「応援してくれるファンのために。冗談抜きでそう思えるシーズンだった」

 日本ハムからノンテンダーと発表されてから28日後。12月14日、新天地が横浜に決まった。「一緒に野球がしたい。最下位から巻き返して優勝したいんだ」。三浦大輔監督の言葉に胸が熱くなった。野球ができる喜び、充実感で心が満たされたという。

「(DeNAで)一番何が変わったかといったら、野球ができれば心が充実するというか……。たくさんのお客さんの前でプレーをして、いい活躍をして、ファンの人と喜びを分ちあえるのは素晴らしいことだなと改めて強く感じました」

「自己表現が素直に出てくる感じですかね。本当に『チームのために』とか『応援してくれるファンのために』という言葉を皆さんがよく使われると思いますけど、それがきれいごとではなくて。冗談抜きで、そう思えるようなシーズンだったなと思います」

 今季は62試合出場して打率.278、5本塁打、18打点。レギュラー奪取を目指していた大田自身、決して納得できる数字ではない。レギュラー奪取はもちろんだが、来季は、どんな形でもチームの勝利に貢献するつもりでいる。

「僕はまだゆとり世代と言われる世代で、考え方が甘いとか緩いとか色々言われてきた世代ですけど、みんなで声を出して盛り上げるというのはずっとやってきた。みんなで声を掛け合うことで一体感を生むというか、鼓舞するというか。出られない分、出ている人が活躍してくれないとチームは勝てないですから」

「僕は一本でも多くヒットを打って、一本でも多く本塁打を打って。とにかくチームが勝つ活躍ができれば、それでいいので。チームが勝つ中で、僕の存在意義があれば。ヒット一本でも打てば勝つ確率も上がる。そこだけしか考えてないです」

 昨季にも増して、強く、たくましくなったハートで2023年シーズンに挑む。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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