WBC韓国代表監督の「肩が一層重い理由」 W杯16強がプレッシャーに…地元紙が指摘

韓国紙がW杯での16強がWBC代表に与える影響について報じた【写真:Getty Images】
韓国紙がW杯での16強がWBC代表に与える影響について報じた【写真:Getty Images】

4年間きっちり準備したW杯代表と比べ、野球の出遅れは明らか

 現在開催中のワールドカップ(W杯)で韓国代表がポルトガルを破り、16強に進出した。これが韓国野球界にも“火をつける”との見方が浮上している。来年3月に控えるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する韓国代表にとって「現実的なプレッシャーになる」と、韓国紙「スポーツ朝鮮」が指摘しているのだ。

 記事は「代表がW杯16強、あるいはそれ以上の成績を収めるのは嬉しいことだ。ただこれは、韓国球界には現実的なプレッシャーとなる。3か月後に迫ったWBCで野球代表チームが見せる姿と、直接比較されるからだ」としている。

 代表の成績が、国内リーグの人気に直接的に影響を及ぼすのが韓国の大きな特徴だ。2002年のW杯4強直後にはKリーグがブームとなり、2008年北京五輪での金メダル後はプロ野球人気が爆発した。記事は限られた選手資源を奪い合う上でも「国際大会の影響力は途方もない」としている。

 WBCでの韓国代表は、2006年の第1回大会で4強進出、2009年の第2回大会では日本と決勝を戦っての2位という成果を残した。しかし2013年、2017年の大会では第1ラウンド敗退が続く。記事では、直近の2大会で優勝したドミニカ共和国と米国、そして続けて2~4位に入っているプエルトリコ、日本、オランダを「確実な野球強国に位置付けられる」と紹介。その上で、野球韓国代表も競技の未来のために「8強以上の成績を出さなければ」としている。

 ただ、準備過程は決して明るい材料ばかりではない。今季韓国プロ野球で15勝8敗、リーグトップの防御率2.11、224奪三振と「国内最高のエース」と言える成績を残したアン・ウジン(キウム)は、学生時代の暴力行為が発覚し、すでに発表された50人の代表候補から外れている。さらに記事は、長く代表でプレーしてきた左腕のキム・グァンヒョン(SSG)やメジャーリーガーのキム・ハソン(パドレス)の招集も「簡単ではない」とし、主砲候補のチェ・ジマン(パイレーツ)も怪我で出場が不透明だと続けた。技術委員長が今秋になって交代する事態も起きている。

 記事は「体系的な準備だけが(良い)成績と言う答えを受け取れる。W杯へは4年間戦力をじっくり固めた半面、WBCはイ・ガンチョル監督が指揮を執ると決まったのも遅かった。監督の肩が一層重い理由だ」と、準備の遅れを嘆いている。

(Full-Count編集部)

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