西武2022年のルーキー連載、第1回は育成2位・滝澤夏央内野手
最小兵のルーキーは、周囲に大きな期待を抱かせる1年を過ごした。新潟・関根学園高から2021年の育成ドラフト2位で西武に入団した滝澤夏央内野手。今年5月13日に支配下登録され、同日の楽天戦(ベルーナドーム)でプロ初出場初スタメンを飾り、初安打を記録。お立ち台にも上がり、鮮烈なデビューを飾った。目標としていた支配下をシーズン序盤に勝ち取ったが、今は「悔しい気持ちのほうが大きい」と心境を語る。
球界最小の身長164センチ。子どもの頃から大きな方ではなく、あまり好きではない牛乳を母に飲まされていたほろ苦い記憶を思い出す。屈強な体躯の選手が居並ぶプロの世界。恵まれない体格を理由に、夢を諦めようと考えたこともある。
「小学生の時から守備には自信がありました。でも『守備だけじゃダメかな。身体が大きくないとダメかな。プロにはなれないかもしれない』と思ったこともあります。そんな時、高校の監督が『大丈夫だから勝負してみよう』と背中を押してくれました。それから、本気で頑張ってみようと思うようになりました」
高校時代は1年時からレギュラーとして活躍。投手も兼任していたが、一番自信があるのは遊撃だった。好きな選手は「自分が見てきた中で、一番守備が上手い選手だと思う」という源田壮亮内野手。奇しくも、その球界ナンバーワン名手がいる西武に入団した。
「小さい頃からの夢はプロ野球選手。そのプロ野球選手になれて、本当に嬉しかったです。西武に指名されたときは『源田さんの守備を見たいな。少しでも近づけたらいいな』と思いました。実際に見たら、動画で見ていたのとは全然違いました。まずは見て真似をして、それからどういう意識でやっているのか聞いています。守備もバッティングもまだまだ敵いませんが、自分もレベルアップして、試合に出られるように練習していきたいです」
湧き立つ悔しさ「シーズン終盤は自分のミスや課題ばかりが気になった」
一日も早く1軍の試合に出場するという目標を掲げ入団し、その目標をシーズン序盤に達成した。プロ初出場の試合は「いろいろなことが初めてで、あまり覚えてないです。あっという間の時間でした」と話すが、結果は4打数1安打。快音が自信に繋がった。
「あれで勢いがついたかなと思います。プロに入ってすぐに1軍に呼ばれて、いろいろ分からない部分もあった中で、ピッチャーのスピードやバッターの打球に、まだまだですけど、ついていけた。『意外といけるな。やっていけるかな』と思うことができました」
ルーキーイヤーは48試合に出場して打率.224(85打数19安打)、4打点の成績で終えた。デビューを果たした嬉しい気持ちはすでに過去のこと。「シーズン終盤は自分のミスや課題ばかりが気になりました。1軍で経験させていただいたことを、来年以降に生かしていきたい」と、悔しさを口にする。
アピールポイントは、スピードだ。「体格の大きい選手には負けたくないという気持ちがあります。この身長だからこそ輝ける部分があると思っています」。力強く話す19歳は、小柄な身体で厳しいプロの世界を生き抜いていく。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)