NPB経験なくとも…山本由伸が認めた「プロ」 “裏方”が経験した濃厚すぎる13年
13年間、オリックスのブルペン捕手を務めた瓜野純嗣さんが退団
2022年のプロ野球で、レギュラーシーズンはソフトバンクとの死闘を制しリーグ連覇、日本シリーズではヤクルトを破り26年ぶり日本一を果たしたオリックス。これ以上ないシーズンを過ごしながら、チームを去る決断を下した男がいる。13年間、ブルペン捕手を務めた瓜野純嗣さんだ。
試合でヒットを打つことも、三振を奪うこともない。勝利に貢献するために何ができるのか。試行錯誤を続けながら裏方としての仕事を全うした。13年間お世話になったオリックスに対し「これまで出会ってきた全ての人のおかげで今の自分がある。どうしたらチームに貢献できるか、選手たちが活躍できるか。少しでも貢献できていれば嬉しく思います」と、感謝の言葉を口にする。
高校時代は沖学園(福岡)で主将を務め、強肩強打の捕手として活躍。福岡経済大に進学も1年で中退するとプロ入りを目指し、四国・九州アイランドリーグ(現四国アイランドリーグplus)に当時加盟していた福岡レッドワーブラーズに入団。正確なキャッチングがオリックスの目に留まり、選手ではなかったがブルペン捕手として夢だったNPB入りを果たした。
入団当初はミスもあったが「どんな形でも力になりたい」と、プライベートの時間を削ってまでチームに尽くした。NPB経験のないブルペン捕手。だが、献身的な姿はいつしかチームに浸透し、金子千尋、西勇輝、山本由伸、山岡泰輔、田嶋大樹ら歴代の投手陣が全幅の信頼を寄せる存在になった。
今シーズンは忘れられない出来事もあった。自身の誕生日に突然、自宅にサイン入りのユニホーム、子ども用のティーネットとマシンが届いた。