いきなりトレード3連発…新庄ハムの弱点は埋まる? 大補強の狙いは“的確”か

日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】
日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】

トレード最多の3件成立、FAでオリ伏見を獲得…最下位の“穴”は埋まった?

 新庄剛志監督が就任して2年目を迎える日本ハムが、オフの主役となっている。シーズン閉幕後の10月18日に、素早く阪神と2対2の大型トレードを成立させたのは号砲にすぎなかった。今オフ最多となる3件のトレードを成立させ、FAではオリックスの伏見寅威捕手を獲得。ドラフト会議では即戦力にこだわった指名を行った。これらの補強はチームの弱点を補えているのだろうか。検証してみたい。

 今季の日本ハムはチーム総得点が463でパ・リーグ最下位。9年ぶりの最下位に沈む大きな原因となった。まず得点力不足を生んでいるポジションを、セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを用いて明らかにしてみる。

 まず用いるのは「wRAA」という指標だ。ポジション別に「平均的な打者と同じ打席を与えたときに、どれだけ得点を増減させたか」がわかる。

 日本ハムは捕手が-21.8でパ5位(最下位はロッテの-25.9)で、ここに伏見を獲得して底上げを図った格好だ。また二塁は-3.3でリーグ3位。一見悪くないものの、トップは主に浅村栄斗が守った楽天の25.1で、大きな差がつくポジションだ。ドラフト3位でメッツ傘下3Aから入団した加藤豪将は、この数字を向上させるためのピースとなるだろう。

 外野を見ると、首位打者の松本剛外野手が守ることも多かった中堅の9.4はリーグトップ。一方で右翼の-13.1はリーグ5位(最下位は西武の-19.0)だ。ドラフト1位の矢澤宏太投手(日体大)には投打二刀流としての期待がかかるが、巧打でこの穴を埋められれば大きい。

 投手陣で期待されるのは、阪神から獲得した齋藤友貴哉投手だ。11月5日の侍ジャパンとの強化試合でも時速159キロを計時している速球派。日本ハムの投手陣は今季、ストレートの平均球速が144.8キロで12球団最低だった。トップのソフトバンクは148.2キロで、実に3.4キロの差がある。ボールの力で押し切れる投手が少ないのは、リリーフ陣の防御率が12球団最低の3.83という不振とも関連してくる。齋藤友の“大化け”で、ブルペン強化を果たせるか。

(Full-Count編集部)

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