目に見える“弱点克服”…漂う覚醒の予感 ロッテ大砲に足りない最後のピース

2020年には直球を打って記録した本塁打が1本もなかったが…

 続いて2022年の月別成績を確認する。

 6月に出塁率.355、OPS.780と復調すると、8月に入ってからはまさに絶好調に。試合数を上回る安打数を記録し、打率.320、出塁率.388、OPS.948という出色の活躍を披露した。10月2日のシーズン最終戦では2本の二塁打を含む4打数3安打と大活躍。8月と9月の2か月だけで7本塁打を記録し、9月18日には本塁打の出にくい札幌ドームで9回に値千金の勝ち越し3ランを放った。長打力の面でも、終盤戦には大きな進歩を垣間見せていた。

 4月と5月の出塁率はいずれも.200台だったが、6月からは5か月連続で出塁率.340を上回った。7月と9月のIsoDは.100を超えており、6月のIsoDも.097とそれに近い数字に。持ち味の選球眼も6月を境に大きく良化した。

 ここからは、2020年以降の球種別打率を見ていく。

 基本的に最も多く投じられる球種であるストレートに対して、2020年は打率.218、0本塁打と苦手としていた。ただし、2021年は3本塁打、2022年は4本塁打と速球を捉えた本塁打が増えており、2022年は球種別打率も.249と上向き。徐々に速球に力負けしなくなりつつある点は、成長を見せた部分のひとつとなっている。

 2021年まで苦手としていたフォークとスライダーへの打率も、2022年は揃って改善を見せている。2020年から2年続けて打率.300を超えていたカーブの打率低下は気になるが、そうした点も含めて、今後はさらなる苦手の克服に期待したいところだ。

投球コースの面でも、ウイークポイントが大きく改善

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