「最終回にまた投げろと言われたが…」 名球会MVP西武松井新監督が“拒否”したワケ

名球会オールスター戦に出場した西武の松井稼頭央監督【写真:宮脇広久】
名球会オールスター戦に出場した西武の松井稼頭央監督【写真:宮脇広久】

投手としても奮闘「いけるところまでいけ、と言われていました」

 来季から西武の監督を務める松井稼頭央氏が10日、沖縄セルラースタジアム那覇で行われた日本プロ野球名球会のオールスター戦に出場し、MVPを獲得した。パ・リーグチームの「3番・遊撃」でスタメン出場し、4打数2安打1打点。さらに、PL学園高時代にエースとして鳴らした経験を生かし、2番手投手として3回3失点と奮闘した。

 試合は「パ」が6-4で「セ」に逆転勝ち。先発投手の東尾修氏は、初回先頭の山本浩二氏に四球を与えたところで早々と降板。その後を継いだ松井氏が3回終了まで投げた。まだまだ体が動く47歳とあって、こうした“肉体労働“を任されるのも、仕方のないところか。

「いけるところまでいけ、と言われていました。実は最終回にまた投げろと言われたのですが、僕は数年前に東京ドームで行われた試合で“サヨナラ負け投手“になっているので、今回は和田(一浩氏)さんにいってもらいました」と明かした。勝負事は勝つに越したことはない。さらに、チームメートとして出場し中前打を放った西武・栗山巧外野手を、一塁ベースコーチとして迎えグータッチを交わすシーンもあり、新監督就任直後として実に幸先が良い。

 松井監督率いる西武は来年、6月27、28日にこの球場で対日本ハム2連戦が組まれているとあって、「その時に沖縄のファンから『松井は出ないのか?』と言われないように、選手たちにいいプレーをしてほしいですね」と笑った。

 この日は恩師の東尾氏をはじめ、山本浩二氏、野村謙二郎氏、古田敦也氏ら監督経験者が目白押しだったが、松井氏は「監督学伝授? 皆さんに『頑張れよ』と言っていただきましたが、いやいや、まだまだ…」と首を横に振った。

 また、名球会は前日9日の総会で、元巨人・上原浩治氏と元阪神・藤川球児氏の特例での入会を決定した。上原氏は、松井氏と同い年。藤川氏は5歳下にあたる。松井氏は「上原にしても藤川にしても、なぜ今日はここに来なかったのか、という気もしますが、また一緒に野球ができることを楽しみにしています」とジョークを交えて歓迎の意を表した。こと名球会においては、このあたりはまだまだ若手の部類である。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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