巨人にオコエは本当に必要? 溢れる右打者…現役ドラフトで気になる“本当の弱点”

現役ドラフトで巨人に移籍したオコエ瑠偉【写真:荒川祐史】
現役ドラフトで巨人に移籍したオコエ瑠偉【写真:荒川祐史】

阪神は防御率12球団1位で投手指名、巨人も右打者飽和状態に…

 一方、気になるのが巨人と阪神。阪神は今季、12球団トップの防御率2.67を記録している。その反面、打者は「wRAA」で見ると、捕手、二塁、三塁でリーグワーストを記録。チームの総得点はリーグ5位の489点だった。にもかかわらず、ソフトバンクから大竹耕太郎投手を獲得。ただ、左の先発左腕は伊藤将司投手に続く2番手は手薄なのも事実だ。大竹はここ2年こそ1軍では苦戦していたが、2018年から2020年は全て防御率2点台から3点台と安定している。先発ローテを担う存在になれば、他球団からすると厄介になる。

 オコエ瑠偉外野手を獲得した巨人は、代打を含めた“右の好打者”が飽和状態になる可能性がある。今季、すでに広島から無償トレードで長野久義外野手、ソフトバンクを退団した松田宣浩内野手を獲得。10月のドラフト会議で2位指名した慶大・萩尾匡也外野手も3拍子揃った即戦力として期待されている。増田陸内野手の外野挑戦もあれば、オコエが立ち位置を手にするのは容易ではなさそうだ。

 現役ドラフトでは、各球団が提出したリストから必ず1人以上を指名するシステム。獲得したいポジションの選手がいなかった可能性もある。いずれにせよ、移籍した選手たちの活躍が、今後の現役ドラフトに大きく影響していきそうだ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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