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FAトリオ残留は“最大の補強”も…依然残る決定的な穴 岡田阪神の動きは的確?

阪神・岡田彰布監督【写真:荒川祐史】
阪神・岡田彰布監督【写真:荒川祐史】

チーム防御率はリーグ1位も…得点&打率で苦戦と課題は明確

 今季3位だった阪神は来季、岡田彰布監督のもと18年ぶりの“アレ”こと優勝を目指す。9日に初めて行われた現役ドラフトではソフトバンクから大竹耕太郎投手を獲得。トレードも成立させているが、果たしてここまでの補強は弱点を補えているのだろうか。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを用いてみてみる。

 今季はリーグ1位のチーム防御率.2.67、同最少の428失点と投手陣は盤石だった。一方で、リーグ5位の489得点、打率.243と課題は明確。そこで「wRAA」という、ポジション別に「平均的な打者と同じ打席を与えたときに、どれだけ得点を増減させたか」がわかる指標を利用する。チーム全体では11位(リーグ5位)に沈んでいる。

 ポジション別にみると、内野手は二塁手が12位で「-17.6」。1位だったヤクルトの「28.3」とは実に「45.9」もの差がある。今季の先発出場は糸原健斗が54試合で最多、山本泰寛が40試合など固定できなかった。オフに入って早々に日本ハムとの交換トレードで渡邉諒と高濱祐仁を獲得。渡邉は今季は21試合の出場にとどまり、二塁での先発は7試合。しかしコロナ禍で120試合制だった2020年には112試合に二塁で先発出場し打率.283をマークしており、新天地でどれだけ力を発揮できるかが鍵になるだろう。

 外野は「10.7」で9位ながらセ・リーグでは6位。特にメル・ロハス・ジュニアが最も多い42試合で先発出場した左翼が「-3.9」で11位(セ・リーグ6位)と苦戦した。ドラフト1位で中大・森下翔太が加入しており、即戦力のスラッガーとして外野の底上げを担うことになる。

 盤石だった投手陣は、フリーエージェント(FA)権を所有していた西勇輝、岩崎優、岩貞祐太がそろって残留は朗報だ。引き続き強固な投手力を保つことができそうなだけに、やはり必須なのは大砲の獲得。ロハス・ジュニアだけでなくジェフリー・マルテ、アデルリン・ロドリゲスと野手3人の助っ人は退団が決まっただけに、今オフこそ“優良助っ人”の獲得が待たれる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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