162億円足りず勝ち目ゼロ… スター流出を招いた“読み違え”に地元メディア嘆き節

パドレスに移籍したザンダー・ボガーツ【写真:Getty Images】
パドレスに移籍したザンダー・ボガーツ【写真:Getty Images】

提示額で圧倒的な差… オフ最優先事項だったボガーツの引き留めに失敗したレッドソックス

 オリックスからメジャーリーグ移籍を目指している吉田正尚外野手と合意したと報じられているレッドソックスは、その裏で主力のザンダー・ボガーツ内野手を残留させることができず、パドレスへの流出を招いた。ボストンの地元メディアはこれを、フロントがFA市場の相場を「読み違えた」ためだと指摘している。

 地元メディア「NBCスポーツ・ボストン」のジョン・トーマス記者は、ボガーツの流出を「勢いがついたように思えたレッドソックスにとっては、暗い1日になった」と表現している。抑えのケンリー・ジャンセン投手と吉田正を獲得した裏での“悲劇”だった。

 レッドソックスのハイム・ブルーム編成本部長は、ボガーツとの再契約が今オフの「最優先事項」だと10月に語っていたという。地元紙の「ボストン・グローブ」によれば、レッドソックスのボガーツへのオファーは6年1億6000万ドル(約217億円)。実際にボガーツがパドレスと合意した条件は11年総額2億8000万ドル(約379億円)で、額にすれば差は1億2000万ドル(約162億円)にも及ぶ。記事はこの事実を「市場に関して驚くほどの読み違い」と伝えている。

 ボガーツは今季150試合に出場し打率.307、15本塁打。遊撃手部門のシルバースラッガー賞を獲得した代えの効かない戦力だ。記事は「レッドソックスは地区最下位の立場でありながら、最高の万能選手を放出した。普通の状況であれば、彼に取って代わる選手を見つけるのは難しい。彼らは、(ボガーツという)ボストンを愛していた素晴らしい遊撃手を抱えていた」と、流出を悔やんでいる。

 また、ボガーツはオフにオプトアウトの権利を行使して自らFAとなった。この際チームが提示したクオリファイング・オファーを拒否しているため、ドラフト指名権の補償がある。ただ米CBSスポーツのマイク・アクシサ記者は「十分でない」と指摘。レッドソックスがボガーツに提示していたオファーも「真剣ではない」とバッサリだ。

(Full-Count編集部)

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