567発の大打者にまさかの禁断ボール 激怒覚悟も…18歳が成功した“売名行為”

元南海・立石充男氏【写真:山口真司】
元南海・立石充男氏【写真:山口真司】

秋季キャンプの風呂で…野村克也氏から「よく練習やっているって聞いているから」

 立石氏は「怒られる」と思った。だが、門田氏は、その時、何も言わなかったという。「練習が終わってから『お前、おもろいやつやな』って。そして『部屋子にするから』って言われたんです」。大胆なチェレンジが功を奏した。見事に覚えてもらうことに成功したのだ。しかし、部屋子になると、それはそれで……。もちろん、勉強になることはいっぱいあったが「大変でしたよ。(部屋では)じーっと静かにしていないといけなかったですから」と当時を思い出しながら、苦笑しきりだ。

 プロ1年目の11月、大阪・中百舌鳥での秋季キャンプではこんなことがあった。「選手の最後に風呂に入ったとき、誰かが一人、湯船につかっていました。お疲れさまですって言ったんですが、何も言わない。湯気がもうもうとして見えないし、誰だろうなって思いながら頭洗って、体洗って、自分も湯船に向かったんです」。湯船は2つあり、誰もいない方に入った。「横からお疲れさまですって言ったら、野村さんだったんです」。

 まさかの展開だったが、立石氏は忘れられない出来事だったという。「野村さんから『おう、立石か、お前は大学に4年間行ったつもりで2軍でしっかりやれ、そして1軍に上がって来い。よく練習やっているって聞いているから』って言われたんです。裸で、声だけで、僕のことを覚えてくれていた。うれしかったですね」。ただし、その時は思ってもいなかった。それから数日後に野村夫人の沙知代さんに暴言を吐くことになるなんて……。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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