“逆輸入”に懸けた助っ人の明暗 戦力外左腕が大活躍、セーブ王はマイナーでも苦戦

ブルージェイズ所属時のラファエル・ドリス【写真:Getty Images】
ブルージェイズ所属時のラファエル・ドリス【写真:Getty Images】

マイコラスはメジャーで最多勝、西武を契約解除のルブランもまさかの活躍

 ヤクルト守護神としてリーグ連覇に貢献したスコット・マクガフ投手が、再びメジャーに挑戦する。15日(日本時間16日)にダイヤモンドバックスと2年契約を結んだことが発表され、流行りの逆輸入の波に乗れるのか注目だ。これまでにもNPBを経て、メジャー再挑戦に懸けた選手たちは多く、成功例も失敗例もあるが、その代表的な選手たちを見ていきたい。

 日本で活躍してメジャーでさらなる飛躍を遂げた代表格は、やはりマイルズ・マイコラス投手(カージナルス)だ。来日する前はメジャー3年間で37試合に登板して4勝6敗、防御率5.32。91回1/3を投げて62奪三振、34四球と内容も伴っていなかった。しかし、巨人での3年間を経て2019年にカージナルスに入団すると32試合に先発して18勝4敗、防御率2.83の成績で、いきなり最多勝に輝いた。

 注目すべきは、200回2/3を投げて146奪三振、29四球という制球の良さ。来日前とは別人のような投球スタイルの変化だった。2019年には4年6800万ドル(約93億1800万円)という大型契約を勝ち取って、アメリカンドリームを掴んだ。2020、21年は故障に苦しんだが、今季は33試合に登板して12勝13敗、防御率3.29と見事に復活。来年3月に行わるWBCの米国代表に内定している。

 日本では活躍できなかったが、メジャーに戻ると嘘のように復活した選手たちもいる。先発も中継ぎもこなせる便利屋としてメジャー5球団を渡り歩いていたウェイド・ルブラン投手は、2015年に西武に加入。8試合に登板して2勝5敗、防御率4.23というパっとしない成績で9月に契約解除となった。しかし、2018年にはマリナーズで32試合に先発して9勝5敗、防御率3.72と堂々の成績。今年4月に現役引退するまで、メジャー通算129試合登板で46勝49敗、3セーブ、防御率4.54をマークした。

 反対に日本で活躍し、メジャー再挑戦も再び壁に阻まれた選手たちも多い。最近では阪神で守護神を務め、2017年には最多セーブにも輝いたラファエル・ドリス投手が苦しんでいる。復帰1年目の2020年は24試合に登板し、防御率1.50と上々だったが、2021年は39試合で防御率5.63と悪化。今季はメジャー登板はなく、マイナー3Aで防御率5.02の成績に終わっている。

(Full-Count編集部)

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