来季年俸は近藤2.4億円、森2.1億円で意外と安い? FA契約が“総額”になるカラクリ

オリックス・森友哉【写真:橋本健吾】
オリックス・森友哉【写真:橋本健吾】

FA移籍選手の移籍初年度の年俸は前年度が上限とFA規約で定められている

 2022年も残りあとわずか。球界では各選手の契約更改が行われ、各球団は来季のチーム編成を進めている。今オフ注目を集めたのが、FA宣言選手たちの去就。目玉とされた森友哉捕手は西武からオリックスへ、近藤健介外野手は日本ハムからソフトバンクへの移籍が決まった。海外FA権を行使してメジャーリーグ移籍を目指した千賀滉大投手もメッツへ加入することになり、宣言残留も含め、FA権を行使した8選手の去就は全て決まったことになる。

 FA市場で必ず大きな注目を集めるのが、権利を行使した選手の契約条件だろう。森は4年総額18億円、近藤は7年総額50億円とも言われており、破格の好条件で世間を騒がせた。

 ただ、森の来季の年俸が4億円超、近藤が7億円になるのかというと、そうではない。FAのルールでは、森は2億1000万円、近藤は2億4000万円と今季から現状維持となる。FA規約の第7条には以下のように明記されている。

「FA宣言選手と選手契約を締結する球団は、当該選手の参稼報酬年額を日本プロフェッショナル野球組織に所属する球団での同選手の直前シーズンの統一契約書に明記された参稼報酬年額を超える額とすることはできない。ただし、球団が当該選手の前参稼報酬年額及び稼働成績に関する特別な事情をコミッショナーに文書で申請し、コミッショナーがこれを認めた場合は、本条の制限を超える参稼報酬年額で選手契約を締結することができる」

 参稼報酬年額は、いわゆる選手の年俸のこと。複数球団による過度な獲得競争にならないように、規約の中で移籍初年度の年俸が前年度を超えないように決められている。「コミッショナーがこれを認めた場合」の例外は設けられているものの、このルールに照らし合わせれば、森は2億1000万円、近藤は2億4000万円で、今季から現状維持となるのだ。

インセンティブなども含まれた「○年総額○億円」

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