清原和博から「おい、ちょっと来い」 ド緊張でベンチ裏へ…嬉しかったまさかの贈り物

オリックス時代の清原和博【写真:共同通信社】
オリックス時代の清原和博【写真:共同通信社】

プロ4年目の2006年に巨人を退団した清原氏がオリックスに移籍

 今季限りで現役を引退した坂口智隆氏が、レギュラーに定着したのはオリックス時代の2008年だった。同時期には球界の番長・清原和博氏ともプレー。ド緊張の日々が続いたが、今でも忘れられない出来事があった。“最後の近鉄戦士”と呼ばれた男の野球人生を振り返っていく連載の第8回は「レギュラー定着、清原和博との出会い」。

 プロ4年目の2006年。チームに衝撃が走った。巨人を退団した清原和博がオリックスに移籍。甲子園のスターで、プロ野球でも歴代5位の通算525本塁打をマークした正真正銘の大砲と同じユニホームを着ることになり「PL学園、西武、巨人と全てのカテゴリーのスーパースター。まだぺーぺーだった自分は話しかけることすらできなかった」と当時を振り返る。

 それでも、2007年に46試合に出場するなど徐々に主戦場を1軍の舞台に移すと、憧れのスターと接する機会も多くなっていった。徐々にチームに馴染んでいくと、ベンチで他愛もない会話ができるようになった。そんな中、あるシーズンの試合前に突然「ちょっと、こっち来い」とベンチ裏に呼ばれた。

 ドキドキしながら清原が待つロッカールームに向かうと「これ、あげるよ。写真に撮られる時に光りが反射しないようになってるんや」と、1本のベルトを手渡された。マットブラックのバックルで当時、日本人ではイチローと清原の2人しか使用していなかった貴重なベルトだった。

ベンチ裏に呼び出され貰ったベルト、擦り切れるまで使い続け「また用意しとくな」

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