教室で見届けた“白河の関越え” 「さすが…」須江監督の手腕にうなる同級生指揮官

仙台育英・須江航監督【写真:小林靖】
仙台育英・須江航監督【写真:小林靖】

仙台東・芳賀崇監督と仙台育英・須江航監督は高校時代の同級生

 母校・仙台育英(宮城)を訪ねた26歳の時、高校教師という夢を見つけた仙台東の芳賀崇監督。今夏、高校時代の同級生・須江航監督が指揮する母校は、東北勢初の甲子園優勝を果たした。その瞬間を教え子たちと目に焼き付け、「みんなが頑張る糧になるね」と語りかけた。チームの合言葉「仙東開始」を胸に、ミドル・アップダウン型のチーム作りで聖地を目指す。【高橋昌江】

 芳賀監督が仙台東に赴任して2年目の今春、地区予選の初戦はコールド勝ちしたものの、その後は勝ち進めず、県大会には辿り着けなかった。だが、夏の宮城大会では爪痕を残した。2-1で1回戦を突破すると、2回戦で対戦したのが前年甲子園出場の東北学院だった。序盤で得点を重ねると、小刻みな5人の継投で追いすがる相手を振り切り、7-4で勝利した。続く3回戦で、仙台育英の同級生である米倉亮監督率いる古川学園に1-5で敗れたが、春の県大会3位の実力校から初回に先制した。

 仙台東が新チームで秋の戦いを目指す中、宮城大会は芳賀監督の母校・仙台育英が2大会ぶりに優勝。3年ぶりの甲子園では快進撃を続け、7年ぶりの決勝に進出した。

 仙台育英の須江監督は同級生。高校時代、須江監督はグラウンドマネジャー(以下、GM)という学生コーチの役割を担い、試合では記録員としてベンチ入り。芳賀監督は背番号1を担うエースピッチャーだった。

「須江はベンチからの声掛けが的確で、野球に関してはかなり賢かったと思います。練習中の指示も、任せておけば安心という信頼はありましたね。自由奔放というか、明るくてヤンチャな学年だったので、GMとしてまとめるのは大変だったと思います。メンバーとメンバー外の間をうまく取り持ち、私が練習に集中している中、チームをマネージメントしてくれていたんだなと思いますね」

 そんな同級生が母校を指揮し、後輩たちが躍動する甲子園の経過は気にかけていた。

部員と見た白河の関越え「100年の歴史に残る経験をした子たちと同じ代で戦える」

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