直訴続きの西武、更改の舞台裏 一枚上手の渡辺GM「あんなの爆発のうちに入らない」

契約更改交渉に臨んだ西武・高橋光成(左)と平良海馬【写真:宮脇広久】
契約更改交渉に臨んだ西武・高橋光成(左)と平良海馬【写真:宮脇広久】

高橋光成の代理人伴った「メジャー直訴」にも平然

 西武は20日、高橋光成投手が埼玉・所沢市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、今季の1億1000万円から7000万円増の年俸1億8000万円プラス出来高(金額は推定)でサイン。チーム全選手の契約更改が終了した。“大トリ“の高橋は、今年から代理人を務める深谷拓弁護士を伴って交渉に臨み、将来的なメジャー挑戦の意思を球団側に伝えた。今年の契約更改は、平良海馬投手が先発転向を求め1回目の交渉で保留するなど、波乱続きだった。

 高橋は契約更改後の会見で、「メジャーには昔からぼんやりと興味がありましたが、今年のワールドシリーズを現地で観戦して、ここで投げたい、ここでプレーするんだという強い気持ちになりました」と目を輝かせた。海外FA取得は最短でも2026年となる見込みで、狙うはポスティングシステムによる早期挑戦だが、交渉に当たった渡辺久信GMは「将来的にメジャー移籍の意思があると聞いただけで、いつポスティングをさせるとかいう話ではありません」と強調した。

 高橋も時期の話になると「いつ、というのはまだ具体的にはないんですけど……」「できるだけ早いうちに、というのが希望ですけれど、まず(西武で)優勝、日本一に貢献したいという気持ちが一番強いです」とやや歯切れが悪くなる。今季は2年連続の開幕投手を務め、自己最多で3度目の2桁となる12勝(8敗)、リーグ4位の防御率2.20をマーク。球団にしてみれば、高橋はまだ25歳で、試行錯誤の末にようやくチームのエースに育ったところだけに、そう簡単に手放すわけにはいかないのが本音だろう。

 西武のシーズンオフは、森友哉捕手のオリックスへのFA移籍という衝撃で幕を開けた。森の人的補償としてオリックスから張奕投手、現役ドラフトで阪神から陽川尚将内野手を獲得するかたわらで、契約更改交渉の場ではファンを驚かせる事態が頻発した。

平良の「大爆発」発言にも…百戦錬磨のGMは「あんなもんじゃないよ」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY