打率1割→最大27億円の“奇跡の復活” 引退寸前37歳の「サクセスストーリー」

パドレスとの契約合意が報じられたマット・カーペンター【写真:ロイター】
パドレスとの契約合意が報じられたマット・カーペンター【写真:ロイター】

マット・カーペンターがパドレスと最大27億円の2年契約で合意

 ヤンキースからFAとなっていたマット・カーペンター外野手が20日(日本時間21日)、パドレスと2年最大2100万ドル(約27億7400万円)の契約に合意した。来季38歳シーズンを迎える大ベテランに対し、米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は「最近では最も驚くべき復活を遂げた人物のひとり」と特筆している。

 契約の内訳では、契約金が300万ドル(約3億9600万円)。2023年は年棒350万ドル(約4億6200万円)となる。2024年についてはカーペンター側が550万ドル(約7億2700万円)での契約を選択できる条項も付いている。米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、出来高を含めると2年間で最大2100万ドルにのぼるという。

 カーペンターは2010年代にカージナルスの主力として活躍。2013年にはリーグ最多の199安打を放ち、シルバースラッガー賞を二塁手部門で受賞した。ただ、30代後半を迎えて陰りが見え、2020年は打率.186と低迷。2021年も打率.169と上向くことはなく、キャリアの終焉は近いと思われた。

 米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者の情報として、カーペンターが2021年のオフに自己改革をしたと紹介。ジョーイ・ボット(レッズ)やマット・ホリデー(元カージナルス)から助言を受け、スイングの改良に着手した。その結果、2022年はレンジャーズとマイナー契約。5月にヤンキースとメジャー契約を結ぶと、鮮やかな復活を見せた。

 新天地で47試合の出場ながら15本塁打、打率.305をマーク、出塁率.412、長打率.727とハイレベルでルーマーズも「カーペンターほどのサクセス・ストーリーは珍しい」と目を見張る。長打率と打率の差を示した「IsoP」も、平均的な選手と比較して打撃で得た得点の寄与度を表す「wRC+」も、長打率も、今季100打席以上立った打者ではトップ。出塁率もアーロン・ジャッジに次ぐ2位だったといい「最高の打者だった」と述べている。

 ヤンキースでは外野を守ったが、来季パドレスでは指名打者の有力候補になるという。ただ、元々は内野手なだけに「二塁で緊急時の選択肢にもなる」とも述べている。奇跡の37歳はさらなる進撃を見せるのか、年齢に抗う打棒に注目が集まる。

(Full-Count編集部)

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